研究概要 |
本研協の実験は1991年5月より1992年1月まで清水校舎研究室内で行なわれた。主な実験項目として、(1)高温株,中温株の高密度培養、(2) 海水馴化クロレラ(高温,中温株)の冬眠化(休眠化).(3)濃縮液状化,ゼリ-状化のクロレラの保存実験を行なった。成果は次の通りである。 1).各塩分濃度別(10%,35%,70%)の高密度培養実験から培養1ケ月で5000万cells/me以上,70%で培養2ケ月で,1億1千万cells/meの高密度のクロレラを培養出来た。また、その折細胞径を母細胞で2.0μを縮小化出来た。 2).休眠化実験では階温別(0℃,5℃,10℃)および塩分濃度別(30%,50%,70%)の実験を行ない,細胞数,細胞径の変化によって休眠化を判断した。その結果,高温株の休眠化条件としては温区5℃が良いことが判明した。また、中温株は0℃で休眠化させる方が良いことが判明した。 3).8時間にー1℃下げる休眠化処理を1週間ほどこした株を更に1週間保存させた実験では保存後1週間の培養から液状クロレラ(約4×10^8cells/ml)およびゼリ-状クロレラ(約8×10^8cells/me)の生体保存状況は次のようになった。 高温株クロレラ(液状,ゼリ状)は0℃保存の場合,保存後の培養での増殖は悪く,5℃において各塩分濃度別(30,50,70%)での細胞数の増殖が良く生体保存が可能であることが判明した。 中温株クロレラ(液状,ゼリ状)は0℃,5℃とも保存後の培養増殖状態から生体保存が可能であることが判明した。 なお、高塩分濃度70%の実験結果については次年度実験において再度追試する必要を認めた。また、本研究期間中、高温株クロレラ株,コペポウダの採集を次年度実験に備えて新島,式根島、伊豆温泉地で行ないサンプルを得、培養中である。
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