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1992 年度 実績報告書

ウナギ初代培養肝細胞により分泌されたリポタンパク質の代謝

研究課題

研究課題/領域番号 03660215
研究機関鹿児島大学

研究代表者

林 征一  鹿児島大学, 水産学部, 教授 (80041721)

キーワードウナギ / リポタンパク質 / 初代培養肝細胞 / インシュリン / リポタンパク質リパーゼ / タンパク質合成・分泌 / リポソーム / 筋肉
研究概要

1.ウナギ培養肝細胞は一種類のlipoprotein、すなわち超低密度lipoprotein(VLDL)様lipoproteinだけを合成・分泌した。しかし、ウナギ血清中には二種類の主要なlipoprotein,VLDLと高密度lipoprotein(HDL)が存在したが、肝細胞はHDLを合成・分泌しなかった。2.ウナギ肝細胞が分泌するVLDLの特徴。(1)VLDLの化学組成。protein、triacylglycerol、free cholesterol、cholesterol ester及びphospholipidの含量はそれぞれ12,69,3.6,0.4,14%であった。(2)VLDLのapoproteins。VLDLの主apoproteinsはapo Aとapo Bであった。哺乳動物と大きく異なる点は哺乳動物の培養肝細胞あるいは還流肝により分泌されたVLDLはどれも主要なapoproteinとしてapo Aを含んではいないという点である。(3)VLDLの分泌速度。ウナギの肝細胞はVLDLを3.79±1.51μg VLDL/mg cell protein/h(n=6)の速度で分泌した。この値はヒトの肝細胞がVLDLを分泌する速度に較べ10倍高かった。3.VLDL合成・分泌に及ぼすinsulinや血清lipoproteinsの影響。(1)insulinの影響。insulinはVLDLの分泌を抑制し、VLDLへの^<14>C-ロイシン及び^<14>C-酢酸の取り込みを抑制した。(2)血清VLDLの影響。培養肝細胞に血清VLDLを添加すると、肝細胞はVLDLの分泌を促進した。また、VLDLのapoproteinsの合成、特にapo Bの合成が促進された。4.分泌されたVLDLはリポソームやlipoprotein lipaseとインキュベートするとHDL様粒子に変換された。5.ウナギ筋細胞内に脂質が多量に含まれていることを組織化学的に確認した。^<14>C-VLDLをウナギの肝門脈に注射し10分後に筋肉、肝臓、心臓、腎臓へのVLDLの取り込みを調べたところ、筋肉への取り込みが最も多かった。また、筋細胞膜上にはVLDLと特異的に結合するタンパク質が存在し、その分子量は77,000であることが分かった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yu F.-G.: "Characterization of lipoprotein secreted by cultured eel hepatocytes and cmoparison with serum lipoproteins." Cell Struct.Funct.16. 347-355 (1991)

  • [文献書誌] Yu F.-G.: "Effects of insulin,eel serum very low density lipoprotein,and high density lipoprotein on lipoprotein syntheisis and secretion by cultured hepatocytes of eel(Anguilla japonica)." Comp.Biochem.Physiol.101B. 333-339 (1992)

  • [文献書誌] Yu F.-G.: "Conversion of the lipoprotein secreted by cultured eel hepatocytes to hegh density lipoprotein." Comp.Biochem.Physiol.103B. 321-327 (1992)

  • [文献書誌] Hayashi S.: "Lipoprotein synthesis and secretion by cultured eel hepatocytes.(Mini Review)" Comp.Biochem.Physiol.

  • [文献書誌] 林 征一: "ラボマニュアル マリンバイオテクノロジー 宮地 重遠監修 嵯峨 直恒 松永 是編集" 裳華房, 285 (1991)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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