研究課題/領域番号 |
03660234
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
岡本 雅美 岩手大学, 農学部, 教授 (20011893)
|
研究分担者 |
佐藤 正良 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (70021722)
広田 純一 岩手大学, 農学部, 助教授 (00173287)
三輪 弌 岩手大学, 農学部, 助教授 (30107180)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
キーワード | 綜合管理 / 多目的ダム / 調整池 / 渇水 / 貯水運用 |
研究概要 |
渇水時の水系綜合管理は、上流域の貯水池の貯水量の運用、換言すればダム補給と、中下流部の取水体制の水利調整、即ち取水制限によって行われている。昭和47年に、利根川水系で史上初めて本格化した渇水時の水系の統合管理は、その後の渇水年のさいして繰返し実施されており又、淀川、矢作川等他水系でも実施されてきた。これら主として3水系の渇水時の水系統合管理を、実績値について解析した結果、次のような知見を得て、それに基づく改善策を提案することができた。 (1)夏期の水田用水を中心とした最大需要期以後、秋季台風並びに秋季降雨の想定量が、平水年想定のために過大であるため、淀川水系においては、次年度春季に貯水不足を生じる危険性があることが実証された。 (2)早春季の融雪流出量の予測を楽観的に行いすぎて、5月頃の貯水池満水が実現できないことがあったことを、利根川及び淀川水系で実証した。以上の(1)(2)の発生原因は、発電部門が楽観的運用を行うためである。 (3)ダム残流域の渇水(干天)時の偶発的局地的降雨がもたらす流出の予測は、正確に行えないから、ダム補給は利水安全性側で行われ、その結果、取水制限実施時でも河口で無効放流が生じていることが実施され、この無効放流節減には、下流部での調整池が唯一の解決策であるとこと、利根川水系の場合には、河口堰の調整池化で対応できることが分った。 (4)利根川水系の同率方式、矢作川水系の非同率方式、いずれの場合でも、既存利水が取水制限に対する予防的対抗措置として、水利権量一杯の実質的には過剰な取水を行うことで、渇水時の水不足が却って誘発激化していることが実証された。 (5)予備放流方式の採用によるダム容量の有効化は、これら3水系では不可能であることが実証された。
|