歪増分は平均主応力増分による部分と偏差応力増分による部分とに分けて与えられるものとして、増分形の応力ー歪関係式を誘導した。 試験方法の改良した点は、供試体作成方法では落下法により密詰めにしたものを毛管飽和させ、これを凍結させて三軸セル中にセットし、供試体内の間隙水を炭酸ガスで置換してから再度脱気水を通水させた後に側圧と二重管ビュ-レットの背圧を4段階に分けて1.20kgf/cm^2まで載荷することによって、高飽和度な供試体を得ることができた。また、マイコン制御による三軸試験装置自動制御システムの改良は、既存の応力制御バルブ軸にステッピング・モ-タとドライバを設置し、予め入力させた応力径路値に追随するようにマイコン制御したことである。 パラメ-タを決定する時は、等方圧による歪部分である等方圧縮試験から、偏差応力による変形係数のパラメ-タをそれぞれ独立に決定している。ところが、主応力比一定径路や側圧一定径路の場合は、等方圧も偏差応力も同時に変化するにもかかわらず、等方圧縮試験と平均主応力一定試験だけから決定したパラメ-タを用いて応力ー歪関係を表現でき、提案式の妥当性を検証することができた。また、応力出発点が同じで最終応力到達点が同じであるが、途中の応力径路が異なる場合の最終歪の違いを、側圧一定応力径路や主応力比一定応力径路及び平均主応力一定応力径路などの試験結果から、表現できることが検証できた。今後は、等方圧の履歴や偏差応力の履歴の影響や、非排水状態でのダイレイタンシ-現象の解析を行う。
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