研究概要 |
平成3年度において,飽和・不飽和浸透試験装置を試作し,標準砂を用いた基礎実験を行った。これにより,不飽和土の水分特性(透水係数〜含水率〜サクション関係)に対する測定技術がほぼ開発できたと判断できる。その主な技術的成果は次の通りである。 1.半導体トランスデュ-サによる負圧測定とラジオアイソト-プ法による水分量測定を組合わせることにより,精度よく不飽和土の水分特性を評価することができる。 2.負圧測定において,センサ-先端部をSiオイルで封入することにより,測定中の空気混入を避けることができる。 3.試験パタ-ンとしてInfiltration・Redistribution法を採用することにより,少ないセンサ-数で多くのデ-タを採ることが可能となる。 平成3年度には,この基礎実験と並行して,有限要素法による飽和・不飽和浸透流解析プログラムの開発も行った。解析プログラムの妥当性を公表されているデ-タによって検証するとともに,机上モデルにより,フィルダムの初期湛水過程および貯水位急低下時における浸透挙動の特徴,ならびにそれらに及ぼす不飽和水分特性の影響を調べた。 平成4年度では,ダムコア材料を用いた室内実験により,締固め状態や礫混入の影響を考慮した不飽和水分特性のモデル化を行うとともに,飽和・不飽和浸透流解析を利用したフィルダムの安定性問題について重点的な検討を加える予定である。
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