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1993 年度 実績報告書

網状水路の発生・発達機構と流砂特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03660246
研究機関山口大学

研究代表者

深田 三夫  山口大学, 農学部, 助教授 (20116750)

研究分担者 日下 達朗  山口大学, 農学部, 教授 (50038238)
キーワード土壌侵食 / リル侵食
研究概要

本年度は,規模の小さい模擬斜面(斜面長45cm,幅15cm,深さ5cmの侵食ボックスで傾斜は5°)を用いて土層の粘土比を一定にしてその乾燥密度を1.3,1.4,1.5g/cm^3の3通りに変え,表面流を作用させる室内侵食実験を行った.そして,土層面上に形成される侵食溝の形状を逐次測定・観察することにより,乾燥密度の変化が異なる斜面における侵食溝の3次元的形状とリル網からの流出土砂量の時間変化を測定した.その結果,乾燥密度の変化に伴う侵食溝の生成・発達過程は,初期乾燥密度の違いにより,その形成過程が以下のような特徴を持つ『上昇型侵食』,『下降型侵食』,『複合型侵食』の3種類に分類できることが分かった.
1.『上昇型侵食』は,斜面の下端付近に侵食溝が発生し,表面水の洗掘によりさらに深い侵食溝となって斜面上方向に発達するタイプである.主として乾燥密度が1.3g/cm^3の場合に顕著に見られ,侵食の発達は速く土壌流亡量も多かった.
2.『下降型侵食』は,表面水が浸透するに伴い,土層内部の圧力の高まった空気が噴出する.この際,空気が土層面を破壊するとともに凹部を形成して下方向に拡大する.この場合の侵食の発達は緩やかで,土壌流亡量も少ない.主として乾燥密度が1.5g/cm^3の場合に顕著に見られた.
3.『複合型侵食』は,『上昇型侵食』と『下降型侵食』の両方が同時に発生するタイプである.『下降型侵食』の形成過程に沿って形成された侵食溝は,『上昇型侵食』の形成過程に沿って形成され発達した侵食溝に吸収される事が多い.主として乾燥密度が1.4g/cm^3の場合に多く発生したが,その形態は一定せず土壌流亡量にもばらつきが大きかった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 深田三夫: "リル網形態の数量化手法およびその発達過程の数理モデル" 農地保全の研究. 14. 56-73 (1993)

  • [文献書誌] 日下達朗: "被覆シートを敷設した斜面における降雨中の水分変化に関する実験的研究" 山口大学農学部学術報告. 41. 1-14 (1993)

  • [文献書誌] 日下達朗: "降雨型を考慮した土壌流亡量推算式について" 農業土木学会誌. 62(4) (発表予定). (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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