研究課題/領域番号 |
03660247
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
櫻井 雄二 愛媛大学, 農学部, 教授 (00036427)
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研究分担者 |
阿部 俊之助 愛媛大学, 農学部, 助教授 (40167937)
逸見 彰男 愛媛大学, 農学部, 助教授 (40093942)
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キーワード | 石灰施用 / 酸性雨 / カルシウム / 環境負荷 / pH / 粘土鉱物 / ケイバン比 / Vaucheria |
研究概要 |
農地土壊の酸性矯正法として石灰施用が常用されている。一方、近年、酸性雨あるいは酸性霧が地上に降り注いでいる。そこで、人為的にカルシウム(Ca)を投入した農地土壊が酸性雨にさらされた場合、Caの環境への負荷機構を解明するための基礎検討を昨年に続いて行った。 結晶性粘土鉱物を主粘土鉱物とする山林土、柿園土の生土と、それをpH6.5に酸性矯正したものとについて、純粋とpH3硝酸溶液に対するCa溶脱特性や団粒特性を検討した。その結果、両試料ともに純水の場合よりも酸性液の方が、生土ならびに矯正土ともに1.6〜1.9倍のCaが溶脱した。酸性矯正のために添加した石灰量が柿園土の場合は65%もの多くが酸性液によって流出した120ml中に溶脱されていた。また、柿園土の2mm以上の団粒量は酸性液によって減少するが、石灰の施用によって増加していた。 土壌の粘土成分については、pHの異なる一連の希薄酸水溶液「人工酸性雨」を非晶質粘土の試料(天然産粘土コロイドと合成コロイド)に添加し、その上澄み液に溶出した成分を化学分析した。沈殿物はX線回折法、熱分析法、赤外スペクトル法などの機器分析法で測定した。その結果、天然および合成試料とも、人工酸性雨のpHが低いほど、また、試料のケイバン比が低いほど、溶出成分量は多かった。この成分の内容はアルミニウムに富むものであり、成分のケイバン比は試料のその比より低かった。機器分析測定から、非晶質粘土の化学構造は、pH4位の人工酸性雨でも長期間溶触すると回復できないほどに変化する。 異なるCa濃度の培地内で培養したVaucheriaは、Ca濃度が上がるとともに糸状の藻体の先端成長が抑制された
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