研究概要 |
1.試作実験装置の概要 実験装置は,材料供給コンベヤ(幅400mm,全長3.5m),選別用スクリ-ンコンベヤ(幅600mm,全長1.3m,目開き30mm),垂直気流発生装置,穀粒回収トレイ及び縦線によるわら穀粒分離装置からなる。スクリ-ンコンベヤの供給側から0.3mのところに幅40mmの吐出口を設け,横断するコンベヤ上のわらを垂直に吹き上げる。このコンベヤの片側は透明ガラスとし,搬送中のわらが吐出口上部から吹き上がる状況をビデオカメラによって撮影可能とした。この研究の特徴は、ビ-タから排出される多量のわらをコンベヤに乗せると同時に適当な気流で吹き上げ,膨軟化とその隙間からの穀粒落下を図るものであり,従来の揺動方式によるラックとは違い能率的である。 2.実験方法 普通形コンバインのストロ-ラック上における排わら中の穀粒混入割合を想定し,わら・穀粒比が10:3となるように,供給コンベヤ上に供試わら1.5kgを2mに拡げ,上面に穀粒112.5gを0.5mに並べる。コンベヤ速度は0.5〜1.1m/sとし,材料供給量は選別部幅1m当り3.3〜7.4ton/h相当となり,実用的な範囲としている。 3.実験結果 (1)回収穀粒の分布 供給側から気流吐出口までの間に1/4が回収され,その後方に1/2が回収された。前者はコンベヤ間の段差で分離し,後者は垂直気流によるわらの目開きで落下したものである。(2)コンベヤ速度が0.5m/sでは、選別率は58%に対し,0.7〜1.1m/sにおける選別率は81〜90%に向上した。(3)小麦わらの選別率は83%に対し,稲わらでは77%であり,小麦わらの分離の良いことが判明した。(4)わら含水率14〜37%の選別率は63〜93%となり,含水率56%の生材料では98%の選別率に向上した。(5)わら.穀粒比を10:2〜10:8に変えたところ,選別損失率はわら供給量に比例して若干増加した。 4.次年度予定 本装置の実用化に向けて要因を指摘・解析する。
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