研究概要 |
我国の主食である米の存在をグローバルなものと捕らえ、単に国内産のジャポニカ系に留まらず、世界の主力であるインディカ系およびその加工米であるパーボイル米の性状と加工特性との関係を明らかにする目的の下で本研究を実施し、以下の結果を得た。 1.湿熱処理であるパーボイリングが、ジャポニカ、インディカいずれの系統でも米粒硬化を促進するが、インディカ系において硬化に伴う精米時の砕粒防止効果がより大きく現れることが分かった。また、その特性は蒸煮後の乾燥処理終了時点の水分と経過時間の関数となることを明らかにした。 2.近赤外(NIR)分析,RVA分析など、近年応用されている品質分析法をインディカ米やパーボイル米へと拡張するには、食味要素である粘りの判定に大きな問題があることを明らかとした。 3.パーボイリング処理によるデンプンの変性(こ化)に対するNIRの応答は1760,2280nmで認められ、定性的な判別は可能なことが明らかになったが、定量性については更に検討が必要である。 4.申請備品のレオメーターによって、各種の米飯の応用緩和、付着性を測定する方法を改善し、パーボイリング処理により米飯粒同士の付着性は顕著に減少するが、圧縮側のレスポンスにおいては品種間差異やパーボイリングの影響は余り明確ではないことなどが分かった。
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