研究概要 |
実態調査とハンドリングシステムを機械化するための実験を以下のように行い,いくつかの知見を得た。 1.運搬実態調査 水稲,畑作,野菜作における人力を介する運搬について新潟県,北海道で実態調査を行い,人手で持って運搬する移動距離,個数,重量等をパラメ-タとする仕事として量的評価を行なった。 水稲作では一貫機械化が定着し人手運搬は苗運搬,モミ袋の運搬車への積み上げ,玄米移動等に見られそれらは10aあたり1400〜2700kg・mになった。北海道では収穫量の大きなバレイショ,てん菜に着目したが,運搬体系が充実し収穫作業で問題となる人力運搬はみられない。人力を介する運搬として各作物で肥料の扱いがあり,堆積場所からトラックへの積み上げや施肥ホッパ-までの運搬があり,およそ1600kg・mになっている。野菜作では生産物の形が一定でないこと,あるいは出荷形態によりダンボ-ル,コンテナ扱いになったりする。 2.システム改善のための機械化 (1)コンテナ用一輪車:ハンドル部に組み込んだ分力計により,運搬作業時のハンドル負荷の動的挙動を測定した。載荷重,載荷位置,重心,路面,熟練度のパラメ-タと負荷特性で特徴的な点は,(1)ハンドルの荷重分担割合を小さくすると走行抵抗の増加と左右ハンドル負荷の変動が大きくなる。(2)載荷位置を左右に広くするとハンドル荷重の変動が大きく平衡がとりにくくなる。(3)未経験者と熟練者では変動振幅,波長に相違が見られた。以上の特徴的な点を加味して,今後コンテナの運搬に適した一輪車に改良する。 (2)コンテナピックアップおよびリフトの開発:試作したトラック装着型のリフトは人手による積み上げの速度(能率)を上回ることが困難で,今後拾い上げと同工程で積み上げるピックアップ装置の試作を追求する。
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