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1993 年度 実績報告書

泌乳ラットの性腺刺激ホルモン分泌及び卵巣機能調節における甲状腺と副腎の役割

研究課題

研究課題/領域番号 03660306
研究機関東京農工大学

研究代表者

田谷 一善  東京農工大学, 農学部, 助教授 (60092491)

キーワードラット / 泌乳 / 甲状腺ホルモン / 副腎皮質ホルモン / 性腺 / 甲状腺刺激ホルモン / 副腎皮質刺激ホルモン / 性腺刺激ホルモン
研究概要

平成4年度までの研究により、甲状腺と副腎の機能は密接に関連している事実を明らかにした。また、泌乳ラットでは、血中サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)濃度が低下する事実を明らかにした。本年度は、泌乳ラットにおける甲状腺と副腎皮質機能がどのように関連しているかについて、ストレス実験を用いて検討した。
1.泌乳5日と15日のラットをエーテル麻酔下で、1時間ごとに0時間から4時間まで5回、それぞれ1mlずつ採血するストレス実験を行い、血中コルチコステロン濃度を測定した。泌乳していない対照群として、発情周期第2日(D_2期)のラットを用いた。また、同様のストレス実験を分娩後直ちに乳子を除去したラットについても行い、正常に泌乳しているラット比較検討した。その結果、泌乳5日及び15日のラットでは、D_2期のラットに比べて、ストレス時に放出される血中コルチコステロン濃度が著しく低下する事実が判明した。また、乳子を除去したラットでは、泌乳ラットに比べて、ストレス時に放出されるコルチコステロン分泌量が有意に増加する事実が明らかとなった。
2.D_2期ラットに、甲状腺機能抑制剤を投与して甲状腺機能低下ラットを作出し、ストレス実験を行った。甲状腺機能低下ラットでは、正常ラットに比べて、ストレスに反応するコルチコステロン分泌量が有意に低下した。このような、コルチコステロン分泌低下は、T4を投与することにより回復した。
以上の結果から、泌乳ラットでは、甲状腺と副腎皮質機能が共に低下している事実が判明した。また、このような甲状腺機能の低下は、乳子への泌乳と密接に関連していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Taya,K.& Sasamoto,S.: "Mechanisms responsible for suppression of FSH and LH during lactation in the rat." Journal of Endocrinology. 129. 119-130 (1991)

  • [文献書誌] 金坂多惠子,田谷一善: "^<125>I標識ホルモンを用いたコルチコステセンのラジオイムノアッセイ" Journal of Reproduction and Development. 38. j85-j89 (1992)

  • [文献書誌] 田谷一善: "泌乳ラットにおける性腺刺激ホルモン分泌調節機構に関する研究" Journal of Reproduction and Development. 38. j91-j107 (1992)

  • [文献書誌] 田谷一善: "泌乳と生殖機能" 日本獣医師会雑誌. 45. 239-246 (1992)

  • [文献書誌] Taya,K.& Sasamoto,S.: "Suppression of ovarian follicular maturation in lactating rats with reference to suckling stimulus." Journal of Reproduction and Development. 45. 193-201 (1993)

  • [文献書誌] 田谷一善,金坂多恵子: "ストレスによる性腺機能低下現象における副腎の関与" ACTH RELATED PEPTIDES. 4. 121-128 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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