研究課題
1.草食性ハタネズミにおけるNa^+-K^+ATPase(a)正常ハタネズミ:ハタネズミの赤血球および肝、腎、骨格筋の膜分画のNa^+-K^+ATPaseについて測定した結果、腎のATPase活性が最も高く、次いで骨格筋での活性が高かった。肝、赤血球のNa^+-K^+ATPase活性は腎、骨格筋に比べて有意に低かった。(b)糖尿病ハタネズミ:新生仔にMSAを過剰投与して誘発した糖尿病ハタネズミの腎におけるNa^+-K^+ ATPase活性を測定した。軽度の糖尿病例ではインスリン抵抗性を示し、重度症例では血漿インスリン値が著しく低下し、完全な欠乏状態に陥った。腎細胞から抽出した形質膜分画中のNa^+-K^+ATPase活性は重度症例では低下傾向を示したが、正常例との間で有意差は認められなかった。2.ハタネズミとマウスにおける肝解糖系酵素と脂肪酸合成酵素活性(a)MSA処理マウス(肥満症):一定期間後、著しい肥満を呈するとともに、血漿インスリン濃度の増大に伴って、グルコキナーゼ活性の増大、およびATP-クエン酸リアーゼとアセチルCoAカルボキシラーゼ活性の著しい増加が認められた。(b)MSA処理ハタネズミ(糖尿病):肥満は観察されず、加齢に伴って糖尿病(50%)が誘発された。このうち軽度症例においては、膵β細胞の機能元進とともに、グルコキナーゼの軽度増加を認めた。また重度症例では、β細胞の著しい変性・脱顆粒とともに、インスリンの著しい減少に伴って、グルコキナーゼの著しい低下(1/2)が見られ、血糖値の増加(約4倍)とFFAの著しい増大(約5倍)が認められた。いっぽうATP-クエン酸リアーゼ活性は若干増加したが、アセチルCoAカルボキシラーゼ活性は増加しなかった。
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