研究課題/領域番号 |
03660318
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研究センター, 助教授 (80159582)
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研究分担者 |
小俣 吉孝 帯広畜産大学, 家畜生理, 助教授 (10132987)
斉藤 篤志 帯広畜産大学, 家畜生理, 教授 (10002263)
鈴木 直義 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研究センター, 教授 (10003071)
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キーワード | バベシア原虫 / 感染防御 / CD_4陽性細胞 / ガンア-インターフェロン / 交叉反応性抗原 / 免疫病理 / 腎障害 |
研究概要 |
ネコを終宿主とする胞子虫類Isospora felisがB.microti初感染に対して感染防御能を亢進するか否かを検討した。I.felisオーシスト接種マウスにおけるB.microti感染に対する防御効果はI.felis接種後の時間的経過に伴い亢進し、接種後4週間後に顕著な抵抗性を示した。I.felis接種マウスに抗CD4あるいは抗CD8モノクローナル抗体投与し、B.microtiに対する感染抵抗性を検討したところ、抗CD4抗体を投与した群において抵抗性が減弱し、CD4陽性細胞の重要性が示唆された。 B.microti初感染耐過マウスは強毒株であるB.rodhaini攻撃感染に対しても抵抗性を示す。 このようにして得られた免疫マウスよりモノクローナル抗体を作成し、その性質につき検討した。得られたモノクローナル抗体は、120,70,30kDaの抗原を認識し、マウスに投与すると、B.microti及びB.rodhaini感染における原虫血症の遅延が認められた。 また、バベシア原虫の宿主への障害性の機序を解明するため、致死性のB.rodhaini及び致非致死性のB.microtiのマウスに対する障害性を肝臓、腎臓につき臨床病理、病理学的に比較検討した。B.rodhaini感染ではB.microti感染に比較し障害の程度が高く、ヘモグロビン尿症、高分子の蛋白質尿が顕著であった。光・電顕的検索では高電子密度の沈着が認められ、原虫抗原・抗体・補体の存在により免疫複合体であることが推察された。肝臓では散在性の壊死巣、細胞浸潤がみとめられたが、B.microti感染では変化が認められないかあるいは認められても軽度であった。
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