研究課題/領域番号 |
03660319
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
三宅 陽一 岩手大学, 農学部, 助教授 (20002256)
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研究分担者 |
横田 清 岩手大学, 農学部, 教授 (60109155)
金田 義宏 岩手大学, 農学部, 教授 (80152817)
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キーワード | 牛 / 染色体転座 / 細胞遺伝学 / 精液性状 / 受胎率 / 精子染色体 / 不均衡型精子 / 肥育性 |
研究概要 |
1)転座染色体を保有する計5頭の種雄牛の受胎率について調べたところ、人工授精に供用されていた4頭の受胎率は49.7%から95.8%であった。それぞれの種雄牛が供用されていた地域で、同時に供用されていた正常種雄牛の受胎率は47.6%から96.5%であった。残りの1頭は自然交配用の種雄牛として大規模牧野で供用されていてその受胎率は67.1%であった。 2)転座染色体を保有する計3頭の種雄牛の精液性状について調べたところ、1頭で異常値を示すものが見い出された。すなわち、1頭では1日2回の精液採取が行われていたが、2回目に採取した精液中の精子数は1回目のそれの約半分以下と、極度に減少した。また、凍結後の精子の生存率も凍結前のそれに比べて低下した。 3)染色体転座を保有する経産雌牛4頭の繁殖成績をまとめた結果、産歴は3ないし4、受胎までの生後月数は20〜27か月(平均22.3か月)、受胎までの人工授精の回数は1〜2回、受胎までの分娩後日数は47〜211日(平均116日)であった。同地域で飼育されている経産雌牛61頭の産歴は平均2.8、受胎までの人工授精回数は平均1.5回、受胎までの分娩後日数は平均138日であった。 4)転座を保有する1頭の種雄牛の精子の染色体を分析した結果、正常型が51.5%、均衡型が47.3%であった。これに比べ、不均衡型精子の出現率は2個(1.2%)と低かった。 5)染色体転座をもつ雌牛を1頭購入して、この染色体異常が、受胎性に対する悪影響以外に、一日当りの増体量など、肥育性に影響を与えないか検討した。試験はなお継続して行っているため、最終的な結果は得られていないが、現時点では、同居している他の雌牛に比べて、とくに劣っているような結果は得られていない。
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