研究概要 |
マクロファ-ジを活性化する物質としては細菌,寄生虫などに感染した生物の感作Tリンパ球より産生されるリンホカインや,感染微生物に由来する低および高分子化合物が種々知られている。 本研究では分担者鈴木らの見出したトキソプラズマ感染耐過牛血清由来のオビオプペチドーI(GlyーGluーGluーGluーGluーGlu)(以下OPー1と略)および菌類や甲殻類の構成成分であるキチンの分解物の一つのキトヘキサオ-ス(以下GlcNAc_6と略)の2種の生物応答修飾物質(BRM)のマクロファ-ジに対する影響を基礎的に検討することを目的とした。 1.OPー1をマウスに投与し,経時的に脾臓マクロファ-ジを分離して,その貪食能およびIa抗原陽性細胞数を調べた結果,無投与群との差は認められなかった。 2.OPー1およびGlcNAc_6を筋肉注射によりマウスに投与し,脾臓および腹腔のマクロファ-ジのリソゾ-ム酵素(酸性ホスファタ-ゼ,βーグルクロニダ-ゼおよびβーNーアセチルグルコサミニダ-ゼ)活性を測定したところ,OPー1投与群の腹腔マクロファ-ジの酵素活性が無投与群およびGlcNAc_6投与群に比べ高い値を示した。 3.サイクロフォスファミド投与による免疫抑制マウスにOPー1を投与して脾臓および腹腔マクロファ-ジのリソゾ-ム酵素活性を測定した結果腹腔において無投与群に比べ高い値を示した。 4.ボイデン法によりマウス脾臓および腹腔マクロファ-ジのOPー1に対する走化性を調べたところ共に10^<-7>Mの濃度において最も走化性を示した。
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