研究課題/領域番号 |
03660323
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
太田 房雄 徳島大学, 医学部, 教授 (90035478)
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研究分担者 |
弘田 克彦 徳島大学, 歯学部, 助手 (60199130)
小野 恒子 徳島大学, 歯学部, 講師 (40035514)
福井 公明 徳島大学, 歯学部, 教授 (40035407)
大和 正幸 徳島大学, 医学部, 助手 (90210492)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 抗捕食因子 / E群連鎖球菌 / St.porcinus / 単クロン抗体 / HPLC / 表層抗原 / 抗原決定基 / マンノース(アミン) |
研究概要 |
本年度は当該研究の最終年度に当たるので設備品としては購入予定がない。昨年に続き、単クロン抗体II-Vが認識するE群連鎖球菌表層抗原決定基を免疫学的に明らかにする努力をした。抗体と種々のハプテンを混合した後にイムノプレートに吸着した精製当該抗原(多糖体が98.5%)を反応させることによって、本当該抗原がマンノースと類似する構造を有することが判明した。このような抗原決定基を有する抗原の存在は連鎖球菌では報告が多く新しい表層抗原と判明した。またペーパークロマトグラフィーおよびHPLCによる当該抗原の化学分析を行い、本抗原が2〜3の単糖およびアミノ糖で構成されることが判明した。しかしながら、マンノースあるいはマンノースアミンが抗原決定基であるかはそれらの分析結果が非常に類似しているので決定が困難で、現在得られる分析方法では不可能である。これまで他の真核細胞で報告されているマンノースに対する受容体の存在とマンノースアミンの貪食細胞機能抑制作用を考え合わせると、E群連鎖球菌の抗捕食因子である可能性が高い。 また、単クロン抗体IV21およびV16を単離することができた。前者は全てのE群連鎖球菌と反応するので、本菌の同定試薬として有望である。本抗体により認識される抗原は前述の方法によりグルコースアミン類似構造を有することが判明し、過去に単離した単クロン抗体S3-9と同じである可能性が高い。またV16は一部のE群連鎖球菌と反応する。対応抗原は蛋白と考えられ、現在その精製を試みている。単クロン抗体の単離は時間を要するに上に、現在一般に行われている客観性と定量性および迅速性に欠ける貪食実験を改良する努力が成功しなかったので、前述抗捕食因子と考えられる物質の抗捕食性を証明するまでに至らなかった。しかし、全体的に当初計画した本研究の目的を概ね達成したと考えられる。
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