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1991 年度 実績報告書

急速凍結・ディ-プエッチング法による赤血球膜細胞質側の超微形態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03670007
研究機関信州大学

研究代表者

大野 伸一  信州大学, 医学部, 助教授 (50109170)

キーワード赤血球 / 膜骨格 / 急速凍結技法 / ディ-プエッチング法
研究概要

従来より行なわれてきた固定・脱水・包埋などの電顕試料作製法では、超微形態学的修飾は避けることができなかった。そこで生体内の微細構造をより良く反映している所見が得られると考えられる急速凍結・ディ-プエッチング法により赤血球膜細胞質側を直接観察する方法を開発した。1.グルタ-ルアルデヒドとアミノプロピルトリエトキシシランを被覆した2枚のカバ-グラス間で赤血球をサンドイッチにした後に、位相差顕微鏡でカバ-グラスをピンセットで軽く圧迫して、上下の赤血球膜を各々のカバ-グラスに付着させた。さらに緩衝液中に浸漬させると、毛細管現象により緩衝液が2枚のカバ-グラス間に入り、赤血球を機械的に二分割することができた。これにより赤血球膜に界面活性剤等で小孔をあけることなくヘモグロビンなどの可溶性蛋白質を除きin situのままで細胞膜を検索することができるようになった。2.さらに、カバ-グラスに付着したinsideーoutの赤血球膜細胞質側を電顕観察するために、イソペンタン・プロパン混合液(-193C)使用急速凍結装置を自作し急速凍結後、クリ-ンな高真空が得られるタ-ボ分子ポンプ装着凍結試料処理装置内でレプリカ膜を作成して、従来よりも高解像力で三次元的に解析することができた。3.またレプリカ膜回収時に、コロジオ溶液を塗布し乾燥させた後赤血球を漂白剤で溶かすことにより,直径5mm大のレプリカ膜を作製することが可能であった。4.2分割された赤血球膜のレプリカ膜を作製することにより、スペクトリン網状構造の存在などの赤血球裏打ち構造の超微形態学的特徴を明らかにすることができた。今後はこの新しい研究方法により、さらに赤血球膜裏打ち構造の分子レベルの解析が可能であると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shinich Ohno et al.: "Threeーdimensional studies of the cytoskeleton of cltured hopatocytes:a quickーfreezing and deepーetching study" Virchows Archiv A Pathol.Anat.418. 61-70 (1991)

  • [文献書誌] Shinich Ohno et al.: "Immunocytochemical study of dystrophin protein in skeletal muscle fibers by quickーfreezing and deepーetching method" J.Clin.Electron Microscopy. (1991)

  • [文献書誌] Shinich Ohno et al.: "Ultrastructural study of the glomerular slit diaphragm in fresh unfixed kidneys by a quickーfreezing method" Virhows Archiv B Cell Pathol.(1991)

  • [文献書誌] Shinichi Ohno: "An ultrastructural study of cytoplasmic aspects of erythrocyte membraneト by a quickーfreezing and deepーetching method" J.Anat.(1992)

  • [文献書誌] 大野 伸一: "急速凍結技法による腎糸球体上皮間隙膜の超微形態学的解析" 腎と透析. (1992)

  • [文献書誌] 大野 伸一: "生体内凍結技法による腎糸球体上皮間隙膜の超微形態学的研究" 第97回日本解剖学会総会. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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