研究課題/領域番号 |
03670014
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
加藤 征治 大分医科大学, 医学部(解剖学), 助教授 (60034956)
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研究分担者 |
近間 英樹 大分医科大学, 医学部(外科学), 助手 (40244165)
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キーワード | リンパ管 / 5'-ヌクレオチダーゼ / 酵素組織化学 / 血管 / アルカリ性フォスファターゼ / 微小循環路 / 走査電子顕微鏡 / 透過電子顕微鏡 |
研究概要 |
1.前年度(平成3年度)に開発したリンパ管の酵素組織化学的同定法「5'‐nucleotidase‐alkaline phosphatase二重染色法」について、凍結切片法・低温重合樹脂(JB‐4)切片法に加えて、低温重合パラフィン(融点42‐44℃、軟パラ)切片法も検討し、その有効性を認めた。 2.さらに、本二重染色法を上記切片のほかに種々の薄膜組織(腹膜・胸膜・心膜)や薄壁の伸展試料にも適用し、漿膜下組織における両脈管の微細分布を明確に 染別・抽出することができた。この伸展・薄膜試料の染色は、リンパ管起始部(Initial Iymphatics)とリンパ管網をより広い範囲で観察することができるので、きわめて有効な方法である。 3.しかし、酵素活性を指標とする本二重染色法は、切片法あるいは伸展法のいずれにおいても、動物によって両酵素活性に差がみられることから、その適用には動物種差を考慮して行う必要があろう。 4.一方、本二重染色法をヒトの正常大腸および大腸疾患(大腸ポリープ・大腸癌等)にも用い、リンパ管の構築とポリープ・癌腫等との関わりについても検討し、両脈管の染別・同定が可能であることが明かとなった。すなわち、有茎性腺腫では粘膜下組織のリンパ管の新生が活発であり、大腸癌組織ではその分化度によりリンパ管の同定(染色性)には差が認められた。
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