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1992 年度 実績報告書

Tail Suspensin ラットでの筋及び骨組織の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03670018
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

小杉 一夫  東京慈恵会医科大学, 医学部医学科, 講師 (30056957)

研究分担者 中家 優幸  東京慈恵会医科大学, 医学部医学科, 講師 (40056932)
竹内 修二  東京慈恵会医科大学, 医学部医学科, 講師 (40057055)
キーワード尾部懸垂 / 骨格筋の萎縮 / 前脛骨筋 / 腓腹筋 / 足底筋 / 血液生化学物質 / 血清アルブミン / 微小重力
研究概要

運動器の発達と萎縮に関する研究の一環として、尾部懸垂ラットを用いて筋の萎縮を形態学的、生理学的両側面から検討した。尾部懸垂(TS)群は尾にステンレス線をつけ、飼育カゴの天井に取り付けたレールから吊した。TS群、対照(C)群共に10週間後にエーテル麻酔下で腹大動脈より採血、臓器(心臓、脾臓、肝臓、副腎)及び筋(前脛骨筋、腓腹筋、足底筋、他)の重量を測定後、筋は光学顕微鏡用標本を作成しSudan black Bで染色後、赤筋線維、白筋線維各100個の面積を二次元解析装置で測定した。なお、測定した血液生化学物質は血清アルブミンクレアチンキナーゼ、総コレステロール量、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、GOT、GPT、LDHである。
血液生化学物質では血清アルブミンがTS群で有意に低く、また肝臓生重量がTS群で有意に低いことから、10週間の懸垂により肝臓でのアルブミン合成能が低下していることが示唆された。一方、筋への影響率を次式、|実験群-対照群|/対照群×100で計算すると、筋重量では、前脛骨筋12.7%、腓腹筋26.4%、足底筋23.4%であった。また、筋線維の断面積で見ると、前脛骨筋では白筋線維6.6%、赤筋線維3.7%、腓腹筋では白筋線維23.7%、赤筋線維17.9%、足底筋では白筋線維27.7%、赤筋線維33.5%であった。この結果、尾部懸垂は下肢の屈筋に大きな影響を与えていることが示唆された。
以上の成績から尾部懸垂により筋の萎縮は明らかであるが、種々の先人の業績を考察すると、今後、(1)実験開始時週令による影響率の違い、(2)筋の種類による影響率の違いの他に、(3)微小重力、栄養条件、運動条件等の要素がどの程度、筋の萎縮に関与しているかを解析することが必要と思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kazuo, KOSUGI: "Influence to organs by ten weeks tail suspension." The physiologist. 35. (1992)

  • [文献書誌] Masayuki, NAKAYA: "Relationship between hind-limb muscle weight and serum enzymes in tail suspension rats." The physiologist. 35. (1992)

  • [文献書誌] Masayuki, NAKAYA: "Relationship between serum enzyme level and disuse atropy on hind-limb muscle by simulated microgravity in rats." Jikeikai Med J. 39. 235-243 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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