研究課題/領域番号 |
03670020
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
古家 園子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (20096952)
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研究分担者 |
古家 喜四夫 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40132740)
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キーワード | 筋繊維芽細胞 / アクチン / ギャップ結合 / ジブチリルサイクリックAMP / Furaー2 / カルシウムイオン / エンドセリン / セロトニン |
研究概要 |
私達は小腸絨毛内でネットワ-クを形成している筋繊維芽細胞や肝臓のディッセ腔に存在する脂肪摂取細胞(伊東細胞)が多数のエンドセリン受容体を持つことを電顕オ-トラジオグラフィ-にて明らかにしてきた。これらの細胞はアクチンに富み、絨毛や類洞の毛細血管に突起を伸ばしネットワ-クを形成している細胞で、平滑筋や肝実質細胞にもその突起を伸ばしており、毛細血管の収縮弛緩や血管と実質細胞との間の情報伝達に何らかの役割を担っているのではないかと古くから推測されてきた細胞である。私達はこれらの細胞の機能を調べる為に、ラット小腸絨毛から筋繊維芽細胞を分離培養する方法を確立し、筋繊維芽細胞の機能を調べた。 培養した筋繊維芽細胞はアクチンに富み、ビメンチンフィラメントを有していた。色素の注入及びフリ-ズフラクチャ-の結果から細胞間にギャップ結合が観察された。血清存在下で培養した筋繊維芽細胞はやつでの葉の様な形態を示したが、血清濃度を下げ、ジブチリルサイクリックAMPやフォルスコリン等を加えた培地に換えると、細胞は30分ー2時間以内に多数の細い突起を持った星状の形態に変化した。この形態変化は蛋白合成阻害剤によっては阻害されなかった。又、ジブチリルサイクリックAMP存在下で星状を示す細胞にエンドセリンを添加すると、1ー3分以内に形態変化が始まり5ー10分でフラットな細胞に変化した。Furaー2を用いて細胞内Ca濃度の変動を調べてみると、セロトニン、サブスタンスP、エンドセリンにより細胞内Ca濃度が一過性に上昇し、しばしばCa濃度の振動が観察された。また、1つの筋繊維芽細胞に機械的に触ると、細胞内Caの上昇が隣りの細胞に伝播する現象が観察され、この細胞のin vivoでの機能を考える上で興味深い知見が得られた。
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