研究概要 |
1.胎生期の視床皮質投射線雄(in vitro DiI法) リ-ラ-マウスヘテロのマウスを交配し、膣栓確認後15日から20日の母マウスより胎児を取り出した。胎児の心臓より4%パラホルムアルデヒドを潅流し、脳を取り出した。視床外側核に微少のカルボシアニン蛍光色素(DiI)の結晶を置き、3週間ほどリン酸援衝液中に保存した。ビブラト-ムを用いて100umの切片を作り、蛍光顕微鏡にて視床皮質線維とsubplate neuronを観察した。正常マウスでは胎生16日に視床皮質投射線維の先端の成長円錐は白質を越えて皮質板に進入し、皮質板cortical plate深層に既に存在した。胎生18日までその状態にとどまるが、胎生20日には皮質板の中央部まで先端の成長円錐が進入していた。リ-ラ-マウスでは,視床皮質投射線維の先端は、胎生16日に白質を越えて皮質板に進入するが、進入角度は直角の正常マウスとは異なり皮質板に対して接線方向に傾いていた。胎生20日には、皮質板中央部まで視床皮質投射線維は紆曲しながら斜めに上昇していた。 2.周産期および生後発育期の視床皮質投射線維(in vivo DiI法) 正常マウスでは視床質投射線維は、生後0日に皮質第4層に達し、以降分岐を繰り返して同層内に終末し、生後15日には成体とほぼ変わらなかった。一方リ-ラ-マウスでは、視床皮質投射線維は、生後0日に軟膜に達し、生後2日に逆転して深層に向かい、特に大型錐体細胞層と顆粒細胞層に達していた。以降分岐を繰り返して同層内に終末し、生後15日には成体リ-ラ-とほぼ同様を形態を形成した。
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