研究課題/領域番号 |
03670025
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
絹谷 政江 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60035491)
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研究分担者 |
高島 庸一郎 愛媛大学, 医学部, 教授 (30028344)
竹内 京子 愛媛大学, 医学部, 助手 (80116954)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | プラコード / キメラ / 神経節 / 三叉神経 / 移植 / 発生 / 鳥類 |
研究概要 |
三叉神経節プラコードを移植したキメラを作製することを目標にして実験を行なった。 1)移植を行なうための基礎実験として、正常ニワトリ胚での三叉神経節プラコード形成過程の組織観察を行なった。St.9.5で内耳神経節プラコードは肥厚し始めていたが、三叉神経節プラコードはまだ認められなかった。St.11-12で三叉神経節プラコードは肥厚を開始し、St.14-17でプラコード細胞は盛んに遊離して、直下のneural crest細胞起源と思われる細胞集団へと移動接着していた。St.18-19でプラコードの肥厚は消失して滑らかな外胚葉細胞層となり、細胞移動はほぼ終了したものと思われた。 2)St.9.5(10体節期)でD'Amico-MartelとNoden('83)のプラコード予定域の原図に従って、ニワトリ-ウズラ胚間移植実験系を用いて三叉神経節プラコード予定域の移植を試みた。術後24時間から3日でキメラ胚を国定して組織標本を作製し、ニワトリ胚内でのウズラ細胞の局在を観察した。ウズラ細胞は三叉神経節(遠位部)を構成していた。しかし、三叉神経末梢部分のシュワン細胞と咽頭弓部分の間葉細胞にもウズラと細胞が存在していた。これらは頭部neural crest細胞が分化したものであり、移植片に直下のneural crest細胞が付着混入したためと思われた。neural crest細胞が付着混入してはキメラ神経節からの末梢神経線維を2種の発生起源別に識別することができないため、graft片うらを物理的に擦って細胞を剥離することや直下のnaural crest細胞の走出量の少ないより早い発生ステージ(8-9体節期)での移植を試みた。また、頭部のプラコード予定域のectodermでなく、体幹部のectodermをプラコード予定位置へ異所性移植することによってプラコードを誘導できないかの検討をも行なった。しかし、いずれの試みも成果を得るに至らなかった。 3)正常ニワトリ胚組織標本でのプラコード位置を顕微鏡から直接に入力し、コンピューターソフトを使って三次元構築を試みた。三叉神経節プラコードの場合、中脳と菱脳の境界部分背側正中部でプラコードの肥厚が始まり、徐々に外側へと拡がりやがては咽頭溝の付近まで達した。すなわちこの時期、脳神経節プラコードは特別な用語で上鰓プラコードと呼ばれることが納得される。 プラコードの位置関係や移動などが一目瞭然であり、立体的な位置の把握には有用性を持つものと思われた。
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