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1993 年度 実績報告書

脳と松果体・相互調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 03670032
研究機関明治鍼灸大学

研究代表者

松浦 忠夫  明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 教授 (30079686)

研究分担者 熊本 賢三  明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助教授 (20141509)
キーワード松果体複合体 / 神経線維 / 個体発生 / ラット / 電子顕微鏡
研究概要

これまでの研究においてラット松果体複合体には1)交感神経,2)脳神経(三叉神経)および3)脳からの直接枝の起源を異にする3種の神経が分布することを明らかにしてきた。本年度はこれらの神経分布の個体発生学的発達状況を明らかにすべく電子顕微鏡的に追求した。
生直後の松果体複合体は一連の細胞柱として認められ、腺主部の膨大は見られるが、介在板、茎の区別は明瞭でなく、少数の無髄神経線維が起始部に散見されるのみである。生後3日では、複合体の形成に大きな変化はないが、主腺部の血管周囲腔に少数の神経線維の分布が見られる。しかしこれらの線維に茎方向への延長は認められない。生後1週目では松果陥凹が茎の半ばまで及び、手綱部に向かう茎前脚に無髄神経線維の発達が目立つ。しかしシナプス構造は認められない。腺主部においては被膜部に無髄線維による大小の線維束の分布が明瞭になり、実質中の血管周囲腔には大小の顆粒小胞を含んだ神経線維が増加し、成熟動物における支配様式に近づく。生後2週目では松果陥凹は後退するが、茎の構築は松果体細胞が主体をなしており、脳直接枝、交感神経共に茎への進入は進んでいない。また、シナプス形成も認められない。腺主部では被膜線維束に有髄線維が出現し、実質中の神経線維の形状、分布様式共に成熟動物のそれと変わらない。
以上の所見から、松果体複合体において、腺主部における交感神経及び脳神経による神経支配は、生後2週目までに一応完成される。しかし、この時期複合体全体としてみた場合、その形態形成は完成されておらず、特に脳からの直接枝(大部分は手綱部に由来すると思われる)による支配様式は確立されていないと考えられる。

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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