(1)アクチン・ミオシン間の単位の滑り距離のIn vitro実験系による測定 ミオシンをコートしたガラス徴小針をシャジクモのアクチンケーブル上に滑走させるIn vitro実験系を用いて、ATP加水分解と共役したアクチン・ミオシン間の単位の滑り距離の決定を行った。まづATP非存在下に微小針先端のミオシンとアクチンケーブル間に硬直結合を形成させておき、これはATPを電気泳動的に与えてアクチン・ミオシン間の滑りをおこさせた。ミオシン上のミオシン濃度を出来るだけ減少させ、投与するATP量を極限まで減少させたさいのアクチン・ミオシン間の滑り距離を反復測定してヒストグラムによる解析を行った結果、単位の滑り距離が約10nmであることを強く示唆する結果が得られた。 (2)アクチン・ミオシン間の単位の滑り距離の筋線維による測定 グリセリン抽出筋線維をCoged ATPの光分解により遊離するATPで急激に活性化し、そのさいの筋フィラメント間の滑りを無荷重下に高速ビデオにより記録解析した。遊離ATP量を減少させた結果、75μMのATPにより筋フィラメントの最小の滑り約10nmが得られた。この結果は、全く異る方法による(1)の実験結果とよく一致している。
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