研究課題/領域番号 |
03670078
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
椛 秀人 高知医科大学, 医学部, 助教授 (50136371)
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研究分担者 |
佐藤 隆幸 高知医科大学, 医学部, 助手 (90205930)
瀬戸 勝男 高知医学大学, 医学部, 教授 (70045970)
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キーワード | 記憶 / フェロモン / 隆起漏斗系ド-パミン細胞 / 副嗅球 / 内側視索前野 / コレシストキニン受容体 / 電場電位 / カオス |
研究概要 |
雌マウスが交尾を行うと、この交尾刺激が引き金となって交尾相手の雄に尿中フェロモンに対する長期記憶がこの雌に形成される。元来、雄のフェロモンには雌に流産を引き起こす作用があるが、このフェロモンが記憶されているとフェロモンによる流産が阻止される。なじみのない雄のフェロモン、つまり記憶されていないフェロモンは副嗅球系を活性化して流産を引き起こす。我々は、電気生理学的手法を用いて、副嗅球の興奮が扁桃体、分界条、内側視索前野を順に通り、最終的に視床下部隆起漏斗系ド-パミン神経分泌細胞の活動を上昇させることを明らかにしている。この副嗅球から視床下部ド-パミン細胞に至る興奮性伝達には、内側視索前野のコレシスキニンB型受容体の活性化が必須であることを、電気生理学的手法のみならず、自由行動下の動物を用いて、妊娠阻止現象の文脈において実証した。 妊娠を保証するフェロモンの記憶に関して、我々は、副嗅球がフェロモンの記憶形成の主座であることを見出すとともに、副嗅球内の僧伏帽細胞と顆粒細胞との間の樹秘突起間シナプスが可塑性の場であることを突き止めている。このにおいの記憶と副嗅球のカオス的ニュ-ロン活動との関連性を検索する目的で、自由行動下の雌マウスの副嗅球に白金・イリジウム線電極を刺入して電場電位を記録した。雄のフェロモンに雌を暴露させることによって電場電位の振動現象が誘発された。現在、最も大きな振動現象が得られる副嗅球の場所をシステマチックに検討している。この電場電位の振動現象に対する青斑核の電気刺激の影響については、克服しなければならない問題が生じ、難航している。
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