研究課題/領域番号 |
03670092
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
赤木 宏行 群馬大学, 医学部, 助教授 (30222508)
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研究分担者 |
菱沼 文男 三菱化成生命科学研究所, 室長
石川 良樹 群馬大学, 医学部, 助手 (20212863)
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キーワード | レセプタ- / 神経伝達物貭 / アミノ酸 / 分子生物学 / cDNA / 卵母細胞 / グリシン / イオンチャンネル |
研究概要 |
哺乳類中枢神経系において重要な役割を果たしている抑制性グリシン受容体の構造と機能の関係を明らかにすることを目的とし、ラット脊髄cDNAライブラリ-より単離したグリシン受容体をコ-ドするcDNAの一部を改変することを試みた。 Mutant DNAを作製するための手法を検討した結果、Polymerase chain reaction(PCR)法を利用するのが最も効率的であることがわかった。この手法を利用して、以下の変異DNAを作製した。(1)シグナル配列の一部(6個のアミノ酸)を欠損させたもの、(2)グリシンが結合すると予測される領域付近の構造の一部(22個のアミノ酸)を欠損させたもの、(3)糖鎖結合に関与するアスパラギンをアラニンに置換したもの、(4)SーS架橋すると思われるシステインをアラニンに置換したもの。これらの変異体DNAを鋳型にしてin vitroでRNAを合成し、それらをアフリカツメガエルの卵母細胞に注入して変異グリシン受容体を発現させた。電気生理学的手法を用いてグリシン適用により惹起されるクロライド電流の大きさを測定し、変異受容体の活性の強さを野生型受容体のそれと比較した。その結果、(1)の変異受容体はコントロ-ルと同等の活性を保持したことから、受容体タンパクのシグナル領域の構造はは必ずしも機能発現には必須ではないことが示された。これに対し(2ー4)の変異DNAから合成される受容体はいずれも機能活性が著しく低下しており、改変部位の領域が機能発現に密接に関与することが示唆された。現在はイオンチャンネル構成領域や細胞内タンパクリン酸化領域を改変した種々の変異受容体の機能変化について引続き解析を行っている。
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