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1992 年度 実績報告書

グルタチオンS-トランスフェラーゼによる血管弛緩因子、一酸化窒素の代謝

研究課題

研究課題/領域番号 03670117
研究機関弘前大学

研究代表者

土田 成紀  弘前大学, 医学部, 講師 (20142862)

研究分担者 佐藤 公彦  弘前大学, 医学部, 助教授 (70003655)
畑山 一郎  弘前大学, 医学部, 助手 (40133871)
キーワードグルタチオンS-トランスフェラーゼ / 血管弛緩因子 / 一酸化窒素 / ニトログリセリン / グアニル酸シクラーゼ / 活性酸素 / グルタチオン / ポルフィリン
研究概要

(1)これまで、ヒトグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)-πは血管の主要なGST分子種であり、活性酸素やヘマトポルフィリンなどのグアニル酸シクラーゼの活性化因子により不活性化されることをin vitroの実験から明らかにしたので、ヒトGST-πと類似したラットGST-Pを大腸菌に発現させ、このモデル系でGST-Pがヘムを結合するか検討した。
発現したGST-Pの約20%はhemeを結合していると考えられ、in vivoでもhemeを結合することが明らかとなった。さらに、GST-Pを発現させた大腸菌ではカタラーゼなど数種類のタンパクの低下が観察され、GST-Pを発現していないコントロール大腸菌に比べ、低濃度の過酸化水素で増殖が抑制される傾向を示した。GST-P発現大腸菌では過酸化水素処理に伴い、GST-Pのシステイン残基間でS-S結合が形成されることから、発現したGST-Pが過酸化水素をトラップし、大腸菌本来の過酸化水素に対する消去系(転写因子、Oxy Rを介するカタラーゼなどの誘導)を抑制することが示唆される。従って、GST-Pは過酸化水素を含む活性酸素とin vivoでも作用していると考えられる。
(2)GST分子種によるニトログリセリンの代謝産物について、1,2-ジニトログリセリン(GDN)と1,3-GDNの分離条件を検討中であり、GST分子種により1,2-GDNと1,3-GDNの産生に差があるが結論が得られなかった。一酸化窒素とグルタチオンからニトロソグルタチオン(GS-NO)が産生される反応は非酵素的と進む考えられたが、一酸化窒素が低濃度の場合、GSTが関与していないか検討の予定である。
(3)グアニル酸シクラーゼ活性の測定法が確立できていないため、ニトログリセリンによるグアニル酸シクラーゼ活性化へのGST分子種の関与については、まだ検討できていない。早急に測定法を確立し、検討の予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yokoyama Yoshihito: "Loss of peroxisomal enzyme expression in preneoplastic and neoplastic lesions induced by peroxisome proliferators in rat livers" Carcinogenesis. 13. 265-269 (1992)

  • [文献書誌] Tsuchida Shigeki: "Glutathione transferases and cancer" Critical Reviews in Biochemistry and Molecular Biology. 27. 337-384 (1992)

  • [文献書誌] Aoki Yasunobu: "Induction of glutathione S-transferase P-form in primary cultured rat liver parenchymal cells by co-planar polychlorinated biphenyl congeners" Biochemical Journal. 281. 539-543 (1992)

  • [文献書誌] Shen,Hongxie: "Identification of cysteine residues involved in disulfide formation in the inactivation of glutathione transferase P-form by hydrogen peroxide" Archives in Biochemistry and Biophysics. 300. 137-141 (1993)

  • [文献書誌] Yokoyama Yoshihito: "Lack of peroxisomal enzyme inducibility in rat hepatic preneoplastic lesions induced by mutagenic carcinogens:contrasted expression of glutathione S-transferase P-form and enoyl CoA hydratase" Carcinogenesis. 14. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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