• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

中枢神経系に局在する新型カルシウム結合蛋白(セファロカルシン)

研究課題

研究課題/領域番号 03670119
研究機関東京大学

研究代表者

志村 二三夫  東京大学, 医学部(医), 助手 (70111523)

キーワードカルシウム結合蛋白 / 中枢神経系
研究概要

セファロカルシンは、最近我々がラット脳サイトソルより単離、SDS‐PAGEで30‐kDaの単一バンドにまで精製した、中枢神経系局在性と推定される新型Ca^<2+>結合蛋白である。このセファロカルシンは、 ^<45>Ca^<2+>オ-トグラフィ-で検出される脳に固有な多彩なCa^<2+>結合蛋白(〜15種)のうち最も強いスポットを与え、偏在性の既知蛋白カルモテュリンやカルビンディン(28kDa)にも概ね匹敵し、またCa^<2+>バッファ-とされるカルビンディンとは抗原性を一部共有するが、胸器・脳内分布や分子の性質から峻別される。今年度、我々は電気泳動法(native PAGE)の改良により、上記セファロカルシン標品が少なくとも三つの明確なバンドに分離される事、それらの存在比はイムノプッロティングによるラット全脳サイトソルの分析結果と良く対応するが、中枢神経系の部位によってはこれとは異なる存在比を示すことを明らかにし、セファロカルシンがin vivoで生じた幾つかの分子型から成る可能性を見出した。更に、此等分子型のうち三つをDEAEーセファセルイオン交換クロマトラフィ-で精製することに成功し、各型についての検討から、セファロカルシンの通性として、細胞内Ca^<2+>濃度に対応した高親和性Ca^<2+>結合部位・これとは別の二価金属イオン(Zn^<2+>等)結合部位・更に有機蛍光プロ-ブ結合部位を持ち、Ca^<2+>結合に伴いイオン的性質及び分子構造の大きな変化を示す事を明らかとした。以上より、本年度の成果として、中枢神経系に特有なCa^<2+>受容/調節蛋白の有力候補であるセファロカルシンの分子的多様性という興味ある事実が明らかとなり、更に本蛋白の機能解明・新規のCa^<2+>受容/調節経路とそれに与る未知の機能素子の探索に当り、この多様性を念頭に、分子の諸性質、分布様式、個体発生・生理変動・機能擾乱に伴う消長や変動を精密かつ包括的に追究する事が可能となった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Fumio Shimure,Sunja,Keuon,Katsuji Takai: "Isolation,Purification,and Charaterigation of a New Type of Colcium Binding Protein from Rat Brain" J.Biol.Chem.

  • [文献書誌] Katsuji Takai(ed.),Fumio Shimure,Katsuji Takai: "A New Type of Calciun Binding Pretein(Cephalocalcin)Exclusirely Localiged in the Rat Centrol Nervous System(CNS):Birding and Conformationel Studies with Tryptoplan Fluorescerce and" Frontiers and New Horigones of Amino Acid Research 1991,Elsevier(Amsterdam).

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi