研究課題
L型ピルビン酸キナ-ゼ(LPK)遺伝子とグルコキナ-ゼ(GK)遺伝子の肝細胞における発現はインスリンによって、転写レベルで制御されている。本研究では、インスリンによる転写調節の分子機構を解明するために、LPKとGKの両遺伝子のインスリン反応性シス作用領域の同定を試みた。LPKについてはトランスジェニックマウスの系を用いて、上流3kbまでにこの領域が存在することを明らかにしているので、上流1.5kbまでを含むトランスジェニックマウスをつくり、インスリン反応性を調べたが、インスリン反応性は認められなかった。そこで、上流1.5から3kbまで、1.5から2.3kbまで、2.3から3kbまでを含むトランスジェニックマウスをつくり、現在解析中である。また、これらの組換え体は初代培養肝細胞へのトランスフェクションの系では、どれもインスリンに反応しなかったが、上流3kbまでと1.5から3kbまでを含むものは肝臓へのin vivoトランスフェクションの系で、インスリンに反応したので、この系を用いて、上流1.5から3kbの間をさらに検索中である。一方、GKについては、in vivoトランスフェクションの系を用いて、上流2218kbまでを検討したが、インスリン反応性を認めることはできなかった。さらに、上流域を調べるべく、遺伝子のクロ-ニングを行っている。また、転写開始点の下流域についても検討している。
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