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1991 年度 実績報告書

リポ酸結合による酵素のホロ化機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03670125
研究機関徳島大学

研究代表者

藤原 和子  徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (20108880)

キーワードグリシン開裂酵素系 / リポ酸 / リポ酸転移酵素 / ホロ蛋白質 / アポ蛋白質 / 部位特異的突然変異誘発 / 大量発現
研究概要

脊椎動物にはリポ酸を補欠分子族として持つ蛋白として4種類の蛋白が知られている。それらはグリシン開裂酵素系のH蛋白及び3種類のα-ケト酸脱水素酵素複合体のアシル基転移酵素成分(E2)である。今回,ウシH蛋白を用いて,そのリポ酸化の機構について研究し,以下の成果を得た。
1.H蛋白と各種のE2とアミノ酸配列を比較すると,H蛋白のリポ酸結合部位(Lysー59)周辺にはお互いよく保存されているアミノ酸が見出だされた(Glyー43,Gluー56,Gluー63,Glyー70)。これらのアミノ酸を部位特異的変異法によって置換し,その置換がリポ酸結合に及ぼす影響について調べた。その結果,これらのアミノ酸のうち,特にGluー56とGlyー70を置換した場合にリポ酸結合の効率が著しく低下し,リポ酸結合におけるこれらのアミノ酸の重要性が示唆された。
2.リポ酸結合の機構を詳しく調べるには,まずリポ受容体となるアポH蛋白を得る必要がある。我々は先にウシH蛋白の前駆体の全遺伝情報を含むcDNAを単離しているので,これから成熟型H蛋白を合成するプラスミドベクタ-を構築し,それを大腸菌に挿入して大量発現させた。大腸菌をリポ酸を添加した培養液中で成育させたときH蛋白はリポ酸の結合していないアポH蛋白(80%),リポ酸の結合したホロH蛋白(10%),それにオクタン酸が結合した異常型(10%)の3タイプが合成されていた。一方,リポ酸を結合したホロH蛋白(10%),それにオクタン酸が結合した異常型(10%)の3タイプのH蛋白をそれぞれ単一に精製し,ペプチドマッピングによってLysー59の修飾を確認した。
今後,このアポH蛋白をリポ酸の受容体として用いて,リポ酸転移酵素を精製し,その反応機構を解明する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kazuko Fujiwara,Kazuko OkamuraーIkeda and Yutaro Motokawa: "Lipoylation of Hーprotein of the glycine cleavage system The effect of siteーdirected mutagenesis of amino acid residues around the lipoyllysine residue on the lipoate attachment" FEBS Letters. 293. 115-118 (1991)

  • [文献書誌] 藤原 和子,池田 和子,本川 雄太郎: "H蛋白へのリポ酸の結合" 生化学. 63. 959 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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