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1992 年度 実績報告書

肝癌発生過程におけるグルタチオントランスフェラーゼ遺伝子の特異的発現調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 03670138
研究機関大阪大学

研究代表者

今川 正良  大阪大学, 薬学部, 助教授 (20136823)

キーワードグルタチオントランスフェラーゼ / 肝癌 / 化学発癌 / エンハンサー / サイレンサー / 遺伝子発現 / トランスジェニックラット
研究概要

グルタチオントランスフェラーゼP(GST-P)遺伝子の発現は、ラット肝化学発癌において顕著に上昇する。その機構を解明するため、5'上流領域を解析し強力なエンハンサーGPE1を‐2.5Kbに、サイレンサーを‐300bpにみいだした。本年度はこれら一連の解析をさらに推し進め以下のことを明らかにした。
1。GPE1は調べた全ての培養細胞で強い活性を示すが、この遺伝子は正常肝では発現していない。初代培養肝細胞を用いて検討した結果、GPE1をプロモーターの近くにつなぐと活性を示すが、nativeな位置では不活性であった。すなわち、正常肝においてはGPE1エンハンサーがあらわれない何らかの機構があると思われた。
2。GST-P遺伝子は腫瘍マーカーとしてしられているが、この発現様式を考えると大きくわけてつぎの2つの可能性が考えられる。一つはある癌関連遺伝子のそばにGST-P遺伝子があり、この癌関連遺伝子の活性化に伴いGST-P遺伝子もいっしょに活性化される可能性、もう一つは、染色体上の位置には全く関係なく共通の転写因子によって活性化されるというものである。これらの可能性を検討するためにトランスジェニックラットを作製し化学発癌実験を行った。その結果、GST-P遺伝子の5'制御領域は染色体の位置に無関係に癌化に伴い活性化されることが明らかになった。すなわち、GST-P遺伝子の発現に関与する転写因子は癌化の機構に深く関わっている可能性が強い。現時点では、それらの有力候補は、GPE1結合蛋白質およびサイレンサー結合蛋白質であり、これらをさらに詳細に検討することが必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shigeru Morimura: "Analysis of glutathione transferase-P gene regulation with liver cells in primary culture." Cell Growth Differ.,. 3. 685-691 (1992)

  • [文献書誌] Mitchell B.Diccianni: "The dyad palindromic glutathione transferase P enhancer binds multiple factors including AP1." Nucl.Acids Res.,. 20. 5153-5158 (1992)

  • [文献書誌] Shigeru Morimura: "Trans-activation of glutathione transferase P gene during chemical hepatogenesis of the rat." Proc.Natl.Acad.Sci.USA,. 90. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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