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1991 年度 実績報告書

ゴルジ膜結合プロセシングプロテア-ゼの生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 03670143
研究機関徳島大学

研究代表者

松田 佳子  徳島大学, 工学部, 教授 (40035449)

研究分担者 吉田 哲也  広島大学, 医学部, 教授 (00022905)
辻 明彦  徳島大学, 工学部, 助教授 (20155360)
キーワードプロセシングプロテア-ゼ / ゴルジ膜 / パラミクソウィルス / ウィルス活性化酵素 / ニュ-カッスル病ウィルス / 膜融合タンパク質
研究概要

ラット肝初代培養細胞にニュ-スカッスル病ウィルス(NDV)を感染させ増殖させることにより,NDVの感関モデル実験を行うことができる。NDVには全身性感染をおこす強毒株であるミヤデラのようなものと,ニワトリ受精卵尿膜などの特定の細胞の特定の部位にしか感染しない弱毒株D26がある。NDVが感染するためにはその外膜に結合しているFタンパク質が宿主細胞膜と結合して膜融合をおこし,ウィルス遣伝子を宿主細胞に導入する。しかし,Fタンパクは宿主細胞で膜融合を持たない前駆体タンパクF。として生合成され,宿主細胞内のプロセシングプロテア-ゼにより活性化されてF_1+F_2となり膜融合能を獲得する。我々は ^<35>Sメチオニンで標識したF_0が初代培養肝細胞中で活性化されること,またモネンシンの添加によりその活性化が抑制されることから,F_0プロセシング活性がトランスゴルジ領域に存在することを示した。更に,プロセシングプロテア-ゼはCa依存性であることを明らかにした。
次にラット肝よりトランスゴルジ膜を精製し,膜標品を用いてF_0プロセシングプロテア-ゼの性質を調べた。プロテア-ゼ阻害剤では,EDTA,PCMB,HgCl_2が阻害するが,PMSF,Eー64,ペプスタチン,Nエチルマレイミド,ロイペプチン,フォスフォラミドンでは全く阻害されなかった。反応の至適pHは6〜8と広く,pH5以下では殆ど反応しなかった。トランスゴルジ膜はNDVー強毒株をプロセスしたが弱毒株は全くプロセスしなかった。プロセシング活性はIMーNaClで膜を洗っても溶出されなかったが,0.6%Chapsを含む緩衝液で抽出されたので膜結合タンパク質と考えられる。
以上の結果から,エンベロ-プを有するウィルスの感染の重要なFタンパクの膜融合活性は,宿主細胞のトランスゴルジ膜結合エンドプロテア-ゼの作用によることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Sakaguchi,Y.Matsuda,R.Kiyokage,N.Kawahara,K.kiyotani,N.Katunuma,Y.Nagai,T.Yoshida: "Identification of endoprotease activity in the transーGolgi membranes of rat liver cells that correcty processes the fusion glycoprotein precursor of virulent New Castle disease virus in vitro" Virology. 184. 504-512 (1991)

  • [文献書誌] 松田 佳子,辻 明彦,長宗 秀明,坂口 剛正,吉田 哲也,勝沼 信彦: "肝トランスゴルジ膜に局在するプロセシングプロテア-ゼの研究" 生化学. 63. 913 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2018-02-02  

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