研究課題/領域番号 |
03670145
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鈴木 康代 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90226564)
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研究分担者 |
鈴木 友和 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (20028517)
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キーワード | 変異トランスサイレチン / マススクリーニング / アミロイドーシス / 家族性アミロイドポリニューロパチー / 分子病理学 / 蛋白単離 / 逆相高速液体クロマトグラフィ |
研究概要 |
トランスサイレチン(TTR)に起源を持つアミロイドーシスにおいて、アミロイド前駆物質である変異TTRがアミロイドに変換され、固有の臓器親和性を持つにいたる機構はまだ解明されていない。本研究はこれを明らかにするため、マススクリーニングで無症候性のものも含めて種々の変異TTRを見つけだし、その構造を決定し蛋白質工学的及び分子病理学的に検討を加えることを目的とした。変異TTRのスクリーニングには我々が先に開発・改良した以下の簡便・迅速な方法を用いた。 即ち、 第一段階 血漿0.3mlをハイトラップブルー(ファルマシア)で処理しアルブミンを吸着除去する。 第二段階 PD-10で脱塩したのちエコノパックQ(バイオラッド)によりTTRを分離する。 第三段階 凍結乾燥後TTRは逆相HPLC(ヌクレオシルC_<18>)により変異TTRを分離する。 この3ステップを3日で行うことができた。 この方法により、肥大型心筋症患者28名、大腸癌患者9名、健常者7名、アミロイドーシス患者1名、真性多血症患者1名、肝硬変患者1名、合計47名の血漿につき検討した。しかしこれらのサンプルから変異TTRを見いだすことはできなかった。そのため次のステップであるマススペクトロメトリーによる変異TTRの構造決定、物理化学的性状の検討にまではいたらなかった。今後もっと例数を増やすとともに、二次元電気泳動法も組み合わせ、より検出率をたかめアミロイドゲネシスの解明にせまりたい。
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