研究課題/領域番号 |
03670149
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
田丸 政男 藤田保健衛生大学, 医学部・生理学, 助手 (80101682)
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研究分担者 |
永田 豊 藤田保健衛生大学, 医学部・生理学, 教授 (70084499)
清水 遵 藤田保健衛生大学, 衛生学部・心理学, 助教授 (50121439)
米田 幸雄 摂南大学, 薬学部・薬理学, 助教授 (50094454)
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キーワード | 老化 / 老齢ラット / 興奮性アミノ酸レセプタ- / NMDAレセプタ- / ラジオレセプタ-アッセイ / 大脳皮質 / 海馬 |
研究概要 |
本年度は、老齢ラットの大脳皮質および海馬における興奮性アミノ酸レセプタ-の結合活性の変化について検索した。哺乳動物の脳内興奮性アミノ酸レセプタ-には、NーメチルーDーアスパラギン酸(NMDA)型、キスカル酸(QA)およびカイニン酸(KA)型などのion channel型とmetabotropic型の少なくもと4種類以上のサブタイプの存在が報告されているが、本実験では前者のion channel型レセプタ-の老化に伴う結合活性の変化について検索した。NMDAレセプタ-は、アゴニスト結合部位、ストリキニ-ネ非感受性のグリシン結合部位(調節部位)およびNMDAチャンネル部位の3部位で複合体を形成していると考えられており、それらの結合部位に対する放射性リガンドを用いて結合活性を検索した。 放射性リガンドの結合活性の検索には、大脳皮質および海馬から超遠心によって得られた膜画分を用いた。NMDA感受性[ ^3H]グルタミ酸結合、[ ^3H]グリシン結合およびNMDAチャンネルの非競合型アンタゴニストの[ ^3H]MKー801結合は、老齢ラット(29ヶ月齢)の大脳皮質および海馬で、いずれも対照ラット(2ヶ月齢)に比べて著しい低下を示した。この結合活性の低下は、Scatchard解析によって親和性の低下ではなく結合部位の減少によることが明らかになった。一方、非NMDAレセプタ-の[ ^3H]KAおよびQA型レセプタ-のアゴニストである[ ^3H]AMPA結合は、いずれも老化に伴う大きな変化は見られなかった。しかし、チオシアン化カリ存在下での活性化状態での[ ^3H]AMPA結合は、老齢ラットにおいて低下を示した。 以上のことから、老化に伴って非NMDAレセプタ-よりはむしろNMDAレセプタ-複合体の機能の方が著しく減少することが明らかになった。
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