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1991 年度 実績報告書

nonーT ALL症例における免疫グロブリンλ鎖高頻度発現の遺伝子的解明

研究課題

研究課題/領域番号 03670152
研究機関筑波大学

研究代表者

森 尚義  筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (90045732)

研究分担者 角田 力弥  筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40045779)
キーワードnonーT ALL / λ鎖様遺伝子 / preーB細胞 / λ鎖様遺伝子産物
研究概要

未熟B細胞における免疫グロブリンの発現様式はμ→κ→λの順に起こるとされており、preーB細胞前後の成熟段階に相当すると考えられるnonーT ALL症例では、免疫グロブリンの発現順序に従ってκ陽性例が入陽性例より多いことが期待される。我々は小児nonーT ALL31例、並びに成人nonーT ALL23例の合せて54症例につき免疫電顕を用いて、白血病細胞における胞体内免疫グロブリンの検索を行なった。その結果免疫グロブリン軽鎖陽性例は小児10例、成人12例認められた。このうち成人例1例を除く21症例では陽性軽鎖はすべてλ鎖であった。最近preーB細胞に特異的に発現するλ鎖様遺伝子およびその産物が見い出され、preーB細胞の分化成熟に重要な役割を担っていることが明らかにされつつある。λ鎖様遺伝子およびその産物はλ鎖と高い相同性を有することが知られており、我々が認めたλ鎖陽性物質もλ鎖様遺伝子産物の可能性が高いと考えられる。そこで小児nonーT ALL14症例についてSouthern blotting法で免疫グロブリン遺伝子の再構成の検索を行なったところ、免疫グロブリン重鎖遺伝子のjoining segment(JH)はほとんどの症例で再構成が認められた。一方軽鎖遺伝子についてはκ鎖遺伝子では6例再構成が認められたが、λ鎖遺伝子はすべてgerm lineであった。検索した14症例のうち免疫電顕でλ鎖陽性例は6例あったが、いずれもλ鎖遺伝子はgerm lineのままであった。一般に遺伝子の再構成は認められるが、蛋白発現はみられないということはあっても、その逆はあり得ないところから、我々が認めたλ鎖陽性物質がλ鎖蛋白とは考えにくい。一方λ鎖様遺伝子は再構成しない事が知られており、我々が認めたλ鎖陽性物質がλ鎖様遺伝子産物と考えると、Southern blottingでλ鎖遺伝子の再構成は認められなくても矛盾しない。現在Northern blottingの検索をすすめており、Southern陰性、Northern陽性であることが証明できれば、λ鎖陽性物質がλ鎖様遺伝子産物であることの証明となる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Mori N.: "Predominant expression of lambda light chain in adult cases with nonーT cell acute lymphocytic and chronic myelogenous leukemia in lymphoid blast crisis" Cancer. 68. 776-780 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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