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1991 年度 実績報告書

病理診断における多剤耐性遺伝子発現の客観的評価モデルの樹立と解析

研究課題

研究課題/領域番号 03670163
研究機関東海大学

研究代表者

玉置 憲一  東海大学, 医学部・病理学教室, 教授 (50055860)

研究分担者 大西 保行  実験動物中央研究所, 研究員 (70201382)
中村 雅登  東海大学, 医学部. 病理学教室, 助手 (00164335)
上山 義人  東海大学, 医学部. 病理学教室, 助教授 (30072408)
キーワード多剤耐性遺伝子 / P糖蛋白 / ヌ-ドマウス / PCR
研究概要

本研究は抗癌剤感受性とMDRI遺伝子の発現が明かなヒト腫瘍を担癌した実験動物モデルを作製し、臨床において結果を得るのに数年を要する課題を短期間に解明し、病理材料から薬剤耐性を正確にかつ、鋭敏に検出する病理診断法を確立することを目的としている。
本年度はヒト腫瘍ヌ-ドマウス移植株47株についてin vivo化学療法実験を行い抗癌剤に対する感受性を検討した。多剤耐性をしめす33株におけるMDRI遺伝子発現およびP糖蛋白の産生を解析した。高感度のRTーPCR法を用いることによって、21株においてMDRI遺伝子の発現を同定した。また、21株中8株においては抗P糖蛋白モノクロ-ナル抗体C219を用いた免疫染色によってP糖蛋白が腫瘍細胞上で確認された。in vivoにおける腫瘍の多剤耐性現象においてもP糖蛋白が関与している事が示唆された(阿部良行、他、1991)。この結果よりヒト腫瘍ヌ-ドマウス移植系がMDR1遺伝子の発現を指標とした、腫瘍の多剤耐性診断法の開発モデルとなりうることが明らかになった。また、固形腫瘍臨床材料についても免疫組織化学的にP糖蛋白の発現を検討した。特に、大腸癌材料では、高率(68%)にP糖蛋白陽性像が認められた。またその局在様式は3型(膜型、顆粒型、混合型)に大別された(里 悌子、他、1991)。MDRI遺伝子の発現と腫瘍の薬剤耐性との関連について、特に臨床材料への応用については今後の研究に待つところが多い。また、今後は開発されたモデルを利用しMDR1遺伝子の異常をさらに効率よく同定するためにRTーPCR法、免疫染色法の改良が必要と考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 里 悌子,赤塚 明,阿部 良行,野登 隆,上山 義之,玉置 憲一: "大腸癌におけるP糖蛋白の発現に関する免疫組織化学的検討" 消化器と免疫. 25. 248-252 (1991)

  • [文献書誌] 阿部 良行,中村 雅登,加藤 優子,大西 保行,筧 義行,上山 義人,玉置 憲一: "ヒト腫瘍株におけるMOR1遺伝子発現の定量" 第50回日本癌学会総会記事. 391 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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