研究概要 |
1)in situ hybridization法によるコラ-ゲンmRNAの組織学的局在と動態:10型コラ-ゲンは主として肥大軟骨細胞により合成されるが,鶏胚椎体組織における内軟骨性質化過程においては肥大軟骨細胞において10型コラ-ゲンmRNAの増量と2型コラ-ゲンmRNAの減少が観察された。この結果は軟骨マトリックスのdynamicな政策が示唆され,引き続いて起こる骨膜皮質からの血管侵入や侵入血管周囲の未分化間葉細胞の骨芽細胞への分化と密接な関連性があるものと示唆された。 2)出生後ラット大腿骨遠位側骨端部における二次性化骨現象においても軟骨マトリックスに侵入したcartilage canalは血管内皮とともに血管周囲未分化間葉細胞よりなり,肥大軟骨細胞巣にcartilage canalが達した後,骨髄組織が形成された。 3)10型コラ-ゲン蛋白の精製:軟骨細胞の培養系からの精製は収量が少なく,孵化後鶏脛骨骨膜を剥離採取し,同種鶏大胸筋筋膜上に移植し,移植後異所性の内軟骨性骨化巣を形成させ,コラ-ゲンの抽出をおこなった。移植後7日目の組織で10型コラ-ゲンは中性塩可溶性分画で50〜60KDaの蛋白として電気泳動で確認し,抗10型コラ-ゲン抗体によるウエスタンブロット法で10型コラ-ゲンと同定した。同様の手法で2型コラ-ゲンも同定し,単離精製をおこなっている。 4)上記1),2),3)の結果をもとに骨髄形成と骨膜血管や血管周囲未分化間葉細胞の密接な関係を追及する予定である。
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