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1991 年度 実績報告書

炎症局所で多核白血球が発現するタンパク合成能の時間的変貎に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03670177
研究機関熊本大学

研究代表者

大河原 進  熊本大学, 医学部, 助手 (10094088)

キーワード炎症 / 多核白血球 / タンパク合成反応 / 差引きライブラリ-
研究概要

ウサギ腹腔のカゼイン炎症について,その早期の代表として5時間を,後期の代表として24時間を選び,これらの時間帯に滲出した多核白血球のRNA及びタンパク合成の様子を調べた結合,多核白血球は炎症早期には勿論,後期にもこれらの合成能を保っていることを明らかにした。
これらの早期及び後期の多核白血球からpolyA^+RNAを抽出し,cDNAを作成,f1phage intergenic regionを有するvectorを用いて,大腸菌XL1flueを形質転換し,cDNAライブラリ-を構築した。このライブラリ-からhelper phageを用いてssDNAを産生させ,一方の時間から得られたものをphotofiotin標識し,他方とhybridizeさせ,hybridizeしなかったもののみを選択し,dsDNAに受換,差引きライブラリ-を作成した。さらに,5マイナス24,逆の24マイナス5から任意に100クロ-ンを選び,個々にdifferential hybridizationを実施し,5時間及び24時間の多核白血球にそれぞれ特異的に発現されていると考えられる候補を選択した。
さらに,この特異性を確認し,炎症における発現動態を知る目的で,これらの候補クロ-ンから得られたcDNA及びantiーsenseRNAをプロ-ブにして,炎症各時期の滲出細胞から調整したmRNA分画についてcytoーplasmic hybridizationを実施した。その結果,炎症早期に主として発現しているクロ-ンとして7種,炎症後期に主として発現しているものとして1種,炎症早期から後期にかけて持続的に発現しているものを1種,計9種のクロ-ンを同定することに成功した。
すなわち,本年度計画したように,炎症の場に滲出した多核白血球は単に死に行く細胞などではなく,炎症後期に至るまで活発にタンパク合成を行なっており,しかも,炎症の時間に応じてその合成の中身が変化していることを実証できた。現在,これらのクロ-ンの構造分析が進行中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] F.Goto,K.Goto.T.Miyata,S.Ohkawara,T.Takeo,S.Mori,S.Iwanaga,M.Yoshinaga: "Interleukin 1 receptor antagonist in inflammatory exudate cells of rabbits.Produection purification and determimation of primary" Immunology. (1992)

  • [文献書誌] A.Matsukawa,S.Mori,S.Ohkawara,T.Maeda,M.Yoshinaga: "Proceuction,parification and characterization of a rabbit recommnant ILー4 receptor antagonist." Biochem.Biopbys.Res.Cammu.

  • [文献書誌] T.Sagara,S.Mori S.Ohkawara,K.Takagi,M.Yoshinaga: "A limitea role of ILー1 in immume enhancement by adjuvcants." Immunology. 71. 251-257 (1990)

  • [文献書誌] O.Ranuilo X.SaezーLloreus,J.Mertsola,M.Yoshinaga,S.Ohhawara,G.H.McChacken Jr.: "Tumor necrosis factora/cachectin and interleukin 1p initiate meningeal inflammation." J.Exp.Med.172. 497-507 (1990)

  • [文献書誌] 大河原 進,後藤 文正,吉永 秀: "炎症性サイトカイン" 蛋白質・核酸・酵素. 36. 935-943 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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