研究課題/領域番号 |
03670190
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
大友 弘士 岐阜大学, 医学部, 教授 (80072916)
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研究分担者 |
古賀 香理 岐阜大学, 医学部, 助手 (00205353)
野崎 正勝 岐阜大学, 医学部, 助教授 (30021380)
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キーワード | 薬物動態 / アメ-バ症 / マラリア / 高速液体クロマトグラフィ- / キャピラリ-電気泳動 / メトロニダゾ-ル / ファンシダ-ル / アルベンダゾ-ル |
研究概要 |
最近、寄生虫症の動向は著しく変貌し、その医療対応に関する情報不足を招いている。現在のところ、厚生省「熱帯病治療薬の開発研究班」によって、近年重要性を増して来た輸入熱帯病の治療に必要な薬剤が稀用薬として確保されているが、安全投与に必要なこれらの日本人症例に対する薬物動態に関するデ-タは殆ど得られていない。我々は既に、アメ-バ症やマラリア患者における薬物の血中濃度の高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)定量性を確立した。そこで、本年度は引き続き分析成績を集積して、安全かつ合目的性の高い治療法を確立し、臨床応用の検討を開始すると同時に、より簡便かつ高精度の分析法の開発を試みた。薬物は治療に用いられたメトロニダゾ-ルとファンシダ-ルを、分析には高速液体クロマトグラフィ-およびキャピラリ-電気泳動法(CE)を用いた。CEによるこれら薬物の分析は知られていない。標品と一部の代謝物を用い、フュ-ズドシリカ管にて直接的ゾ-ン泳動、SDSによるミセル動電クロマトグラフィ-およびpolybreneを用いるイオン交換動電クロマトグラフィ-の3モ-ドで試験した。基本的には各モ-ドとも良好なピ-クを与えたが、血清添加試料では、最も簡単な直接的ゾ-ン泳動が精度良好で、しかも定量分析可能であることが判明した。しかし、検出に紫外吸収を用いることから患者試料において薬物投与後ピ-ク時でもS/Nに問題があり、今後さらに検討が必要である。HPLCはプレカラムの工夫により、従来より更に高感度の定量が可能となった。特にメトロニダゾ-ルにおいては、投与設計が可能となり、臨床応用を開始している。ファンシダ-ルについては現在の2日にわたる投与法と1日単回投与法を比較し、両投与法とも有効治療濃度が維持されることを確認した。糞線虫症と包虫症治療におけるアルベンダゾ-ルに関しては現在検討を開始している。
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