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1992 年度 実績報告書

CD4^+ヘルパーT細胞欠損ラットをAIDSモデルとした原虫性日和見感染発症機序

研究課題

研究課題/領域番号 03670192
研究機関徳島大学

研究代表者

姫野 國祐  徳島大学, 医学部, 教授 (50112339)

研究分担者 長澤 秀行  徳島大学, 医学部, 講師 (60172524)
キーワードCD4^十T欠損ラット / サイトカイン / トキソプラズマ感染 / 熱ショック蛋白質 / 感染防御能
研究概要

1.LECラットにおける免疫学的異常に関する研究では以下のごとき結果が得られた。
(1)このラットのT細胞は胸腺内において、CD4^+DC8^+からCD4^+DC8^-T細胞への分化が障害を受けているが、CD4^-CD8^+T細胞への分化は正常であった。その結果、胸腺内ではCD4^+DC8^-T細胞が消失し、末梢においても著明に減少していた。
(2)T細胞レセプターの発現はCD4^+DC8^+、CD4^-CD8^+T細胞とも正常であった。また、胸腺内におけるMHC‐classII抗原の発現も正常であった。
(3)このラットにおいては、T非依存性抗体産生は正常であったが、顕著に減少していたことからヘルパーT細胞の機能低下があることが明らかとなった。しかし、キラーT細胞は正常であった。
(4)また、このラットの脾細胞、リンパ節細胞ともIL‐2、IL‐4産生能とも対照正常ラットに比して明らかな低下が見られた。
2.LECラットのトキソプラズマ対する感染防御能と熱ショック蛋白質(HSP65)の発現に関する研究では、以下の結果が得られた。
(1)LECラットは遺伝的背景が同じでCD4^+DC8^-T細胞の機能も含めて、免疫機能が正常なLEAに比較してトキソプラズマに対する感染防御能が顕著に低下していた。このことから、ラットにおいてもトキソプラズマの感染防御にCD4^+DC8^-T細胞が重要な役割を果たすことが示唆された。
(2)トキソプラズマ感染ラットの腹腔内のマクロファージ上のHSP65の発現はLECラットではLEAラットに比較して極端に減弱していた。このことから、ラットにおいても、マウスと同様に感染防御能の程度とHSP65のか発現の強さに相関性があることが示され、またその発現に、CD4^+DC8^-T細胞が係わっていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Matsumoto K.: "Defect in negative selection in lpr‐associ ated graft‐vs.‐host disease‐like syndrome." J. Exp. Med.173. 127-136 (1991)

  • [文献書誌] Nagaswa H.: "Role of L3T4^+ and Lyt‐2^+ T cell subsets in protective immune responses of mice against infection with a low or high virulent strain of Toxoplasma gondii." Microbiol. Immunol.35. 215-222 (1991)

  • [文献書誌] Agui T.: "Bone marrow-derived progenitor T cells convey the origin of maturational arrest from CD4^+8^+ to CD4^-CD8^+ thymocytes in LEC mutant rats." Eur. J. Immunol.21. 2277-2280 (1991)

  • [文献書誌] 姫野 國祐: "トリパノソーマ感染と生体防御・エスケープ." 生体防御. 9. 199-208 (1992)

  • [文献書誌] Nagasawa H.: "Induction of heat shock protein closely correlate with protection against Toxoplasma gondii infection." Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 89. 3155-3158 (1992)

  • [文献書誌] 姫野 國祐: "熱ショック蛋白質とトキソプラズマ感染防御……宿主マクロファージへのHSP65発現と感染防御." 医学のあゆみ. 164. 567 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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