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1991 年度 実績報告書

寄生虫感染と中間宿主貝の生体防御反応

研究課題

研究課題/領域番号 03670199
研究機関鹿児島大学

研究代表者

野田 伸一  鹿児島大学, 医学部, 講師 (60112439)

研究分担者 内川 隆一  鹿児島大学, 医学部, 助手 (80145466)
キーワード無脊椎動物 / 生体防御 / ヘモサイト / 寄生虫分泌物 / 造血器官 / 血球生成器官
研究概要

寄生虫の中間宿主貝Biomphalaria glabrataの血球細胞はヘモサイトと呼ばれ、白血球に相当し、血色素は直接血液中に溶解している。ヘモサイトは貝の生体法御を担っており、貝に細菌のような小さな粒子が侵入すると食作用により細胞内へ取り込み、また寄生虫のような大きな粒子が侵入すると被包化作用により取り囲み隔離する。B.glabrataの血球生成器官は外套腔の後方上皮と囲心嚢の間にあり、20μほどの厚さであるが、貝にEchinostoma paraenseiが感染すると血球生成器官の細胞は増殖し好塩基性細胞の大きな塊となり、100μ以上の厚さになる。当研究では、E.paraenseiがどのように宿主貝の血球生成器官に作用しているのかを解明する目的で、E.paraenseiを培養し、その培養液を貝に注入し血球生成器官の変化を調べた。
199培養液とSchneider培養液を改変した培養液中でE.paraensei虫卵を孵化させ、3日間培養した。得られたconditioned medium・スポロシスト抽出液および新しい培養液をB.glabrataに注入した。3日後に固定し、連続切片を作成し、血球生成器官の大きさ(断面積)を計測した。conditioned mediumとスポロシスト抽出液を注入した貝の血球生成器官はE.paraensei感染貝と同程度に大きくなっていた。次にconditioned mediumをフィルタ-濾過により分子量1〜3万、3〜10万および10万以上に分画し、貝に注入した。分子量10万以上の分画を注入した貝で血球生成器官が最も大きくなっていた。
以上の結果より、E.paraenseiが分泌する物質に血球生成器官の細胞増殖を引き起こす作用があることが確認できた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shinichi NODA: "Effects of excretoryーsecretory products of Echinostoma paraensei larvae on the hematopoietic organ of Mーline Biomphalaria glabrata snails." Journal of Parasitology.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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