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1992 年度 実績報告書

寄生虫感染と中間宿主貝の生体防御反応

研究課題

研究課題/領域番号 03670199
研究機関鹿児島大学

研究代表者

野田 伸一  鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60112439)

キーワード無脊椎動物 / Echinostoma paraensei / Biomphalaria glabrata / 生体防御 / 寄生虫分泌物質 / ヘモサイト / 走化性
研究概要

棘口吸虫科のEchinostoma paraenseiの感染に伴って中間宿主貝 Biomphalaria glabrataの生体防御能が低下する現象を解明する目的で、E.paraenseiスポロシストの培養液(寄生虫の分泌物質)が貝の血球細胞の運動性にどのような影響を及ぼすかを調べた。
199培養液とシュナイダー培養液を改変した培養液中でE.paraensei虫卵を孵化させ、培養を行なった。血球細胞を含んだ貝の体液をスライドグラスにとり、20分間インキュベートした後に培養液で洗った。スライドグラスに付着した血球細胞にスポロシスト培養液を加え、血球細胞のサイズ(細胞のスライドグラス上での広がり)の変化を位相差顕微鏡と描画装置を用いて記録した。新しい培養液を加えても血球細胞のサイズは変化しなかったが、スポロシスト培養液を加えると血球細胞のサイズは減少した。血球細胞のサイズの減少は異物上で広がる能力や運動性の低下と考えられるので、次にChemotaxis chamberとNuclepore membrane(pore size 5μm)を使ってE.paraenseiスポロシストの培養液の血球細胞の運動性への影響を調べた。血球細胞を含んだ貝の体液に同量の新しい培養液を加えたものをChemotaxis chamberの上室に、スポロシスト培養液に貝の体液を遠心して血球細胞を除いた同量の血漿を加えたものを下室に入れ、2時間インキュベートした。フィルターをメタノールで固定し、ギムザ染色を行ない、フィルター両面の血球細胞を数え、フィルター下面に移動した血球細胞の割合を調べた。フィルター下面に移動した血球細胞の割合はスポロシスト培養液を用いた場合には低下した。
したがってE.paraenseiが感染した中間宿主貝ではその寄生虫の分泌物質により血球細胞の運動性が低下すると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shinichi Noda: "Effects of excretory-secretory products of Echinostoma paraensei larvae on the hematopietic organ of M-line Biomphalaria glabrata snails" Journal of Parasitology. 78. 512-517 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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