Legionella pneumophilaは多くのマウス系統のマクロフア-ジ(Mp)内では増殖できないが、A/JマウスとLPS不応答性のC3H/HeJマウスのMp内では増殖できる。我々はまずL.pneumophilaのMp内増殖を許すA/Jと、増殖を許さないC57BL/6(B/6と略)の違いの遺伝支配を解析した。交配実験とRecombinant inbred strainsを使った解析の結果、抵抗性が優性で15番目の染色体上にある一遺伝子が支配していることを明かにし、その遺伝子をLgnー1と命名した。今年度はひきつづきLgnー1遺伝子座の位置を知るためにAXF1backcrossを用意し、約70匹のMpについてL.pneumophilaの増殖を許すかどうかタイピングを行った。現在それらのマウス遺伝子をとり、既知の遺伝子マ-カ-との連関をSouthern hybridizationにより調べている。またA/JとB/6のMpが本菌を貪食した際のphagosomeの形態の違いを電顕により見いだした。本研究課題の最終目標はLgnー1遺伝子産物を明らかにすることであるが、以上のように分子生物学的アプロ-チと形態からのアプロ-チにより成果を挙げつつある。
|