研究概要 |
本研究は、高血圧と比較するとより若年期での発症が認められ、また、それが高い可能性で成人期に移行してゆくと考えられている高コレステロ-ル血症について,中学生を対象にスクリ-ニング調査を行い、その発生頻度を明らかにするとともに、その関連要因として、栄養摂取、体型・体脂肪量、および、家族の検診成績との関連について検討することを目的とした。 調査対象は秋田県内農村地区の中学生であるが、さらに卒業時より5年後にあたる20歳成人時においても追跡調査を行うこととした。 平成3年度には、楯環器等の検診および体脂肪量の測定を、中学2年生81名、3年生90名、および、20歳成人については58名について実施し得た。さらに、中学2・3年生については栄養士による面接思い出し法による栄養調査を実施した。 このような検診等により、受診者より得られた情報は、肥満度、皮脂厚、血圧(最大血圧、最小血圧)、血清総コレステロ-ル、血清蛋白、ヘモグロビン、肝機能(GOT、GPT、γーGTP)、および、体脂肪量%などである。これらの項目に加え、各人の栄養調査成績も得られるので、血清総コレステロ-ル値と各項目との関連については、今後検討をすすめてゆく予定である。さらに、今年度実施した調査結果より、肥満者の中でも特に著しい肥満者については、血圧や血清総コレステロ-ルとの関連の他、肝機能検査についても異常が認められ、この点についてもさらに検討が必要と考えられた。
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