研究課題/領域番号 |
03670283
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
那須 裕 信州大学, 医学部公衆衛生学教室, 助教授 (50020839)
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研究分担者 |
平林 公男 山梨県立女子短期大学, 一般教育, 講師 (20222250)
太田 節子 信州大学, 医学部公衆衛生学教室, 助手 (90143974)
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キーワード | アオウキクサ / 重金属 / 指標植物 / 酸性水 / カドミウム |
研究概要 |
アオウキクサは熱帯から寒帯まで幅広く分布する淡水性浮標植物である。小型で均一の個体を同時に多数得られ増殖サイクルが極めて速い等、実験用生物として理想的な特質を持つ。また重金属を始め水汚染物質に敏感に反応することも知られており、これまでアオウキクサを水汚染の指標植物として、また水汚染物質の除去回収に用いる試みを行ってきた。本研究では、酸性水の指標にアオウキクサを用いる試みについて検討した。 1.各種pH条件下でのアオウキクサの生育・増殖 アオウキクサ増殖速度は培養液のpHが4〜6の時に最大となることが、明らかとなった。またpH3.6以下の培養液では、植え込み後24時間以内に枯死することも示された。 2.各種pH条件下での重金属の吸収 重金属に対するアオウキクサの感受性は培養液pHにより変化し、pH6において最大となった。このpH値ではカドミウム0.1ppmに対しても50%の増殖阻害を示した。重金属に対する感受性の変化は、培養液からの重金属の吸収量と関連していることも明らかとなった。 3.各種河川水、下水処理場水、雨水によるアオウキクサ育成 雨水によるアオウキクサ育成においては、増殖・生育は極めてわずかであったが、酸性度が高い雨水ほど増殖・生育量は少なくなる傾向が見られた。また下水処理場水、河川水を用いたアオウキクサ育成では、やはりpHが高い程、また栄養塩濃度が高い程、増殖度が大となる傾向が見られた。
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