研究概要 |
1.ABOの各遺伝子の検出方法の確立。 先ず、ABOの各型特異糖転移酵素遺伝子を検出するための種々のポリメラ-ゼ連鎖反応(PCR)用プライマ-及び各型特異糖転移酵素遺伝子検出用プロ-ブを試作した。これらの試作したABO遺伝子特異的なPCR用プライマ-の一部を用いて、遺伝子増幅法による各型特異糖転移酵素遺伝子の検出を種々の条件で試みている。現在までのところ結果の再現性が悪く、実験条件を種々検討しており、プライマ-の構造や抽出したゲノムDNAの品質に問題のあることも予想されることから、異なった構造のプライマ-の合成と検体からのゲノムDNA抽出法及び精製法についても再度検討している。また、A型特異糖転移酵素遺伝子断片を検出プロ-ブとする制限酵素断片地図(RFLP)により、ポリメラ-ゼ連鎖反応(PCR)、一本鎖高次構造多型(SSCP)、塩基配列特異的オリゴヌクレオチド(SSO)を用いたPCRーSSCP、PCRーSSO、PCRーRFLPなどにより、高精度で簡便且つ迅速に検出できる方法を引き続き検討している。 2.家系図作製のための検査試料の収集と免疫血清学及び免疫遺伝学的調査。 検査試料は現在までに7家系,24検体を収集し、他に201の独立の検体を収集した。更に、検体ゲノムDNAを血餅から抽出する方法についても検討し、良好な結果を得ており、実用化に向けて検討を繰り返している。検査試料の免疫血清学及び免疫遺伝学的調査の結果、得られたものには、O遺伝子のホモ接合体と、A又はB遺伝子のヘテロ接合体(AO又はBO)が殆どで、A及びB遺伝子のホモ接合体(AA又はBB)であることが確実なものがなく、更に、試料の収集と調査に努力する必要がある。
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