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1991 年度 実績報告書

脳死の脳に於ける変性壊死過程の基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 03670303
研究機関札幌医科大学

研究代表者

森田 匡彦  札幌医科大学, 医学部, 教授 (00045353)

研究分担者 池田 卓也  札幌医科大学, 医学部, 助手 (10222887)
キーワード脳死 / 免疫組織化学 / 細胞骨格 / 実験動物
研究概要

死後の脳について法医学的にアプロ-チした、基礎的かつ形態学的な検討はほとんど無い。そこで本年度の研究においては、形態的に脳の変性壊死過程の詳細を明らかにする為に、実験動物の脳を用いてその変性壊死過程における脳構成細胞の経時変化について免疫組織化学的な検索を含めて試みた。すなわち頚椎脱臼により屠殺したラットを恒温(37℃)に放置し経時的に脳を採取し、ただちに5〜20%ホルマリン,0.1Mりん酸緩衝10%ホルマリン,0.1M酢酸緩衝2%paraformaldehydeー0.2%picric acid(PPA)等で固定をおこなった。固定後パラフィン包埋組織切片を作製しヘマトキシリンーエオジン染色(HE)および銀染色をおこない通常の組織検索をおこなった。また細胞骨格蛋白質(Tublin,Actin)および熱シヨック蛋白質(HSP)について、免疫組織化学染色を試みた。その結果、PPA固定によりTublinが、経時的変化を伴って染色されることが明らかになった。大脳海馬CA1領域では、神経細胞細胞質においては材料採取後12〜24時間に、また尖頭状突起においては3〜6時間で染色性が最も強くなる事が判明した。この事から実験的には、通常のHEあるいは銀染色では識別しにくい脳の血流停止後の脳神経系の経時変化が、細胞骨格等の染色により明らかに出来る可能性が示唆された。またヒトへの実用的な応用を勘案した場合、もっとも一般的なホルマリン固定パラフィン包埋材料おいてもTublinは免疫組織化学的に検出可能なことが明らかになった。したがって来年度の研究課題でもあるが、ヒトの脳におけるTublin等を用いた免疫組織化学染色は、解剖材料の脳から死後時間を推定する一つの手段となりうる可能性が示吸され、法医学的に有用であることが期待される。

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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