研究課題/領域番号 |
03670311
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
森崎 信尋 千葉大学, 医学部, 助手 (40174411)
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研究分担者 |
神崎 哲人 千葉大学, 医学部, 医員
斎藤 康 千葉大学, 医学部, 講師 (50101358)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 平滑筋細胞 / フェノタイプ / SDGF / スカベンジャー受容体 / フォスフォリパーゼA_2 / バルーニング / PDGF / TNF |
研究概要 |
1.平滑筋細胞のフェノタイプの修飾因子:ヒト臍帯静脈由来内皮細胞、ヒト抹消血単球由来マクロファージはPDGFを分泌して、平滑筋細胞のフェノタイプを変換させた。PDGFのうち、PDGF-AB、あるいはBB体(10ng/ml)にこの作用があり、平滑筋細胞は(1)増殖が早くなり、(2)平滑筋細胞由来増殖因子(SDGF)を分泌(3)正常な平滑筋細胞が持たないアセチルLDL(低比重リポ蛋白)の代謝(スカベンジャー経路)能を獲得した。腫瘍壊死因子(TNF)もまた同様の変換促進作用を示した。 2.内膜剥離モデルにおける平滑筋細胞のフェノタイプの経時的変換:家兎大動脈をバルーンカテーテルで内膜剥離し、内膜肥厚の始まる前に平滑筋細胞のフェノタイプが変化するかどうか検討した。バルーニング後1日目には、対照と性質の変化がなかったが、3日目には増殖能が亢進していた。7日目には上記の3つの性質が発現された。この実験でフェノタイプは内膜肥厚以前に中膜で起こることが証明された。 3.スカベンジャー受容体の平滑筋細胞における発現機構:平滑筋細胞をフォルボールエステルで刺激するとスカベンジャー受容体が発現するが、このメカニズムはPKCの活性化ではなく、フォスフォリパーゼA_2の活性化によるリゾリン脂質の遊離によることが明らかにされた。リゾ体はセカンドメッセンジャーであることが明らかにされた。 4.SDGFの分子的性質:SDGF活性は抗塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)抗体で抑制された。SDGFは32kdであり通常のbFGFとは異なると思われた。bFGFのcDNAを用いたノーザーンブロットではbFGFのmRNAと思われる6.4kbのバンドのみがみられた。SDGFはbFGFと一部抗原的にクロスするが別な因子であると推測され、クロスする抗体を用いて現在クローニング中である。
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