研究分担者 |
久保田 晃 九州大学, 医学部, 医員
原田 直樹 九州大学, 医学部, 医員
池松 渉 九州大学, 医学部, 医員
下田 和哉 九州大学, 医学部, 医員
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研究概要 |
1.ヒト補体第4成分結合蛋白(C4BP)の精製とそれに対する抗体作製:ヒト血漿1.5LをBaCl2沈澱し,Intralipidと結合させて超遠心分離の後,エタノール:エーテル=1:3で抽出し,これを50mM Tris-Cl,2mM CaCl2(pH8.2)に溶解し,DE52カラムにかけた。0-1M NaClグジエントで得られたピークを次にS400カラムおよびS300のカラムを通してC4BPの単一ピークとした。精製したC4BPα鎖を家兎とマウスとにフレンドアジュバントを用いる通常の免疫操作で抗体を採取した。また,免疫したマウスの脾臓からリンパ球を採取して雑種細胞を形成し,その培養上清にC4BPα鎖と反応するIgGを有するクローンを得た。 2.自己免疫疾患患者の血液中C4BP濃度の測定:自己免疫疾患患者の血液中C4BP濃度を抗体を用いて測定すると,活動性SLE患者やループスアンチコアグラント(LAC)が検出される例では有意に増加していた。さらに,CRP,C3やCH50量と相関が認められた。ベーチェット病,大動脈炎症候群,PSS,RA,MCTD,シェーグレン症候群でも増加していた。なお,肝硬変症では低下していたが,DICでは一定の傾向を認めなかった。 3.ヒトC4BP遺伝子の構造とその発現調節の解析:体細胞遺伝子の解析で第2番目の相似構造単位(SCR)2個のsplitされたエクソンによりコードされているなど補体調節遺伝子群と類似構造をとっていた。ノーザン法ではC4BP遺伝子の発現は肝臓のみで認められた。また,かなり分化した肝細胞で発現していることが示唆された。TPA,IL6,TNFによって発現増強が認められた。さらに,転写開始部位を決定し,C4BP遺伝子の上流域には急性期炎症蛋白遺伝子のプロモーターに共通する配列を認めた。
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