研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)および変型性膝関節症(OA)患者の関節手術時に骨髄血を得,分離した単核球から破骨細胞(OC)を培養し,各種機能を検討した。OCは高いILー6を産生し,これはILーlBやTNFーαにより増強された。一方,ocはtissue inhibitor of metallo proteinases(TIMP)を産生しこれはIlーlβにより増強された。TIMP産生はOAに比べRAで高い。また,OCはsuperoxideを産生するが,これは軟骨細胞同様,極く少量であった。ocは象牙切片の骨吸収を惹起した。ocの骨吸収作用はヒト骨芽細胞を用い, ^<45>Ca遊離法でも行なうべく準備中であり,この測定系を用い,RAとOA間でOCの骨吸収活性を比較する予定である。OCに各種サイトカインを加え培養した上清につき,ILーlβ産生を測定中である。さらに,ハンクス液中で各種サイトカインを加え培養した上清ではコラゲナ-ゼ活性を東京医科歯科大難治研の永井 裕教授と協同で測定中である。 以上より,OCは軟骨細胞同様,各種サイトカインを産生し,蛋白分解酵素とそのinhibitorやsuperoxideを産生,これら組織破壊因子が高まるかまたは逆にinhibitor産生が低下すると,骨吸収を主体とした骨破壊がおこるものと思われる。
|